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学校外教育って必要ある?

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CFCは「学校外教育」という分野の支援活動を行っていますが、あまり聞きなれない言葉でもあります。いわゆる、塾や習い事、野外・スポーツ・芸術活動などの公教育以外の教育活動を示しています。

◆6割の子どもが通塾している日本の現状

文部科学省が行っている「子どもの学習費調査」では、小学生から高校生までの学校外教育費の平均額が年間25万円となっています。また公立の小学生では、約7割の教育費が学校外の教育に支出されている現状があります。

ベネッセ教育開発センターでも多くの学校外教育に関する調査を行っていますが、中3生の通塾率は約6割、34.7%の中3生が週3日以上通塾しているという結果を発表しています。

また驚くべきは、学習塾の事業所数です。小学校・中学校・高等学校の合計は約39,000校ですが、学習塾の事業所数はそれをはるかに上回る約49,000校。この事業所数からみても、子どもの教育を考える上で塾などの学校外教育が無視できないことがわかります。

◆塾だけでなく「体験活動」も学力に関係する?

塾だけではありません。例えば、独立行政法人国立青少年教育振興機構が行っている「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」では、体験活動を行っている青少年ほど、他者への思いやりや積極性があり、自己肯定感も高い傾向にあることを発表しています。

また、自然体験を最も行っている群における「勉強は得意な方だ」の回答は、最も行っていない群における比率の5倍以上にもなっています。

◆教育にかけられる費用は収入によって大きく変わる

しかし、公教育が義務教育で保障されている一方で、この学校外教育の機会は家庭の経済状況に委ねられている現状があります。そして、ここに教育格差が生まれています。

同じくベネッセ教育開発センターの調査では、世帯年収が400万円未満のグループの学校外教育費は1ヶ月あたり平均8,700円、世帯年収800万円以上のグループは平均26,700円であることを発表しています。教育にかけられる費用は収入によって大きく異なり、上記ではおよそ3倍の開きがあります。

また、世帯年収が低いほど教育費比率は高く、年収700万円世帯でさえ、年収の15%近くを占める年間約100万円の教育費を親が負担するというのが実態です。

◆収入格差による教育格差を解消する学校外教育バウチャーの仕組み

CFCが行う学校外教育バウチャーの提供は、このような現状の中で経済的に困窮する家庭の子どもたち、つまりは十分な学校外教育の機会を得られない子どもたちに対して、その教育機会を保障するものです。

バウチャーという仕組みは、教育に使途を限定できるため現金を給付した場合におこる他の用途への支出を防ぐことができます。また、有効期限などを設定することにより、貯蓄にまわることも防ぐことができ、確実に教育に支出されるというメリットがあります。

まだまだ日本では始まったばかりの仕組みですが、今後社会的なインフラとして学校外教育を保障していく仕組みが必要だと考えています。

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