公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

チャンス・フォー・チルドレン設立10年レポート

CFC設立10年

スタディクーポン、卒業生の今2

僕も誰かの人生を支えたい。
今は後輩の成長を見るのが
一番嬉しいです

永野 大樹(28歳)仮名

Nagano Daiki

兵庫県出身。幼少期に父親を亡くし、母子家庭で育つ。高校3年の時に、クーポンを利用して予備校に通い、大学に進学。クーポン利用者1期生。転職支援を行う会社に就職して6年目。営業を担当。

クーポン利用期間2010年4月〜2011年3月(高校3年)

3歳で父を亡くし、母子家庭で育った。物心がついた頃から、欲しいゲームが買えないなど、周りの家とは少し違うのかなと感じることもあった。それでも母は自分がやりたいことをやらせてくれたと思う。

「母がずっと同じ服を着てたり、僕のお下がりを着てたりして。自分の身の回りのことを削って、僕にサッカーを続けさせてくれていたんだと気づきました」

母が病気で入院し、弟の世話と家事を一人でこなしながら高校に通った時期もあった。家庭の状況は厳しく、高校3年の頃に、母から「予備校の費用は出してあげられない」と告げられたこともあった。

そんな時に出会ったのがCFCだ。「クーポンは気持ちの面での支えが大きかったです。応援してくれる人がいるから頑張らないとって」。予備校での猛勉強の末、大学に合格することができた。

コロナ禍の現在は、リモートでの勤務が増えた。取引先との打ち合わせもオンラインで行っている。

あれから10年。新卒から、転職支援の会社で働いている。今ではチームの中でも中堅の立場になった。「10年前、CFCを通じて進学を支えてもらった。僕も誰かの人生の岐路を支えたくて、この仕事を選びました」

営業成績が振るわずに退職も頭をよぎった新人時代。上司の支えで何とか乗り越えることができた。数年経ってリーダーを任されるようになったら、今度は後輩から「辞めたい」と打ち明けられた。過去の自分と重なり、新人時代の経験を全て話した。

「後輩は結局会社に残り、今はチームリーダーとして活躍しています。後輩の成長を見るのが一番嬉しいです」

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