公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

チャンス・フォー・チルドレン設立10年レポート

CFC設立10年

スタディクーポン、卒業生の今6

避難生活で感じた
温かい食事のありがたさ。
石巻で栄養士として働く

宇野 未来(25歳)仮名

Uno Mirai

宮城県石巻市出身。中学2年の時に東日本大震災で自宅が全壊。中学3年から高校卒業まで4年間クーポンを利用。大学時代はCFCの大学生ボランティアとして活動。現在、石巻市内の高齢者施設で管理栄養士として働く。

クーポン利用期間2011年12月〜2015年3月(中学3年から高校3年)

東日本大震災が起きたのは中学2年の時。津波で石巻市の実家は流されてしまい、避難所に届く期限切れの菓子パンとおにぎりでしのぐ生活は1ヶ月も続いた。

そんなある日、ボランティアの栄養士さんが調理してくれた温かい食事が忘れられない。「久々に食べたごはんがおいしくて。私もこんな仕事ができたらいいなと思いました」

中学3年の時、クーポンの利用開始と同時に「ブラシス」との面談が始まった。CFCのボランティアで、管理栄養士を目指す大学生だった。

自分と同じ夢を持つ彼女からは大学の話をたくさん聞いた。「進路の悩みを親身に聞いて、客観的なアドバイスをくれる、しっかり者のお姉さん。憧れの人でした」

同じく大学時代に大学生ボランティアとして活動していたCFCスタッフの武林(写真左)と、
活動していた当時を振り返る宇野さん(写真右)。

大学は志望校の栄養学科に進学。今度は自分自身がブラシスとしてCFCの活動に参加することを決めた。「進路に悩んでいた子が『未来さんに話を聞いてもらったおかげです。ありがとうございます』と言ってくれて。頑張ろうって思えた」

勉強との両立がうまく行かずにブラシスをやめようかと思った時期もあったが、それでも卒業まで続けることができた。面談を通じて出会った子どもたちの存在がとても大きかった。

社会人になっても、悩むことはある。ただ、どんな時も目の前の人に真摯に向き合う。その姿勢は栄養士になった今も変わらない。「新しいメニューに挑戦して、入所者の方が残さず食べてくれた時は嬉しいですね」

※「ブラシス」…ブラザー・シスターの略。CFCのクーポンを利用する子どもたちの進路や学習相談にのる大学生ボランティアのこと。

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