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チームで子どもたちを支える 子どものケース検討会議

仙台事務局では、現在60名の学生ボランティア(以下、「ブラシス」)が活動をしていますが、全員がユニットと呼ばれる地域ごとのチームに分かれ、各地域に住むクーポン利用者と面談を行っています。(現在は「宮城県北・宮城県南・宮城県外(岩手・福島・関西等)」の3ユニット)

このユニット制を取り入れた目的は「チームで子どもたちを支えること」にあります。例えば、地域によってクーポン利用先の有無やその選択肢は変わってきますし、進路先も様々です。これらの情報を効率よく共有し、効果的に子どもたちを支えていくため、昨年度よりユニットでの活動を行っています。

■「ケース検討会議」とは

各ユニットでは、情報共有の場として、毎月定例ミーティングを開催しています。その中で子どもたちの情報や課題、ブラシス自身がもつ悩みを仲間たちと共有し、成功事例の積み重ねや改善点の検討を行っています。そして、今年度からは、この定例ミーティングで出された事例のうち、特に課題のあるケースについて、「ケース検討会議」を開催し、職員とブラシスで話し合う場を設けています。

ケース検討会議は、他の子ども支援団体や教育・福祉機関等でも行われているものですが、子どもや家族に対する支援について、担当者一人で抱えこまず他の支援者や専門家等、立場の異なる人たちを交えて全体の課題として協議、対応していくための会議体です。CFCでも、ユニットリーダーのブラシスに加え、仙台事務局職員と私が参加し、一人ひとりのケースを聞きながら、その対応方法を協議しています。

■どのようなケースについて検討しているか

今年度は、これまで計6回の会議を行いましたが、実に39のケースについて検討してきました。

その中では、クーポン利用や進路に関する悩みはもちろん、ブラシス自身の課題、面談を実施できていない背景、不登校やいじめなどの学校に関わる事柄、発達や健康に関する話など、多種多様なケースが話し合われてきました。

例えば、「母子家庭で母が病気がち、夕食はインスタントラーメンばかり食べている中学生」や「ADHDと軽いアスペルガーがあり自分の話に夢中になってしまう子ども。(かつ、母も精神疾患がある)」などのケースについても議題となりました。

これらは、一見するとCFCが行う教育支援やクーポン利用からは外れるようなケースかもしれません。ただし、CFCが目的とする子どもの将来の自立や貧困の連鎖の解消からはすごく大事なテーマです。

また、これらの背景が、クーポン未利用や進路未決定につながる問題となる場合も考えられます。よって、現在はより多くのケースについて、できるだけ情報を収集・共有し、細かく見ていくことを心がけています。

■今後の課題

6回のケース会議を終えてみて、ブラシスたちが、恐らく子どもたちが親や先生に相談しにくいこと、ブラシスだからこそ話してくれていることを、よくキャッチし、多くのケースが共有されていることに大きな価値を感じています。

一方、会議の本来の目的とする解決につながっている事例が多くないこと、解決まで導かないと何ら意味がないということを痛感しています。今後は、多くのケースのうち、どこまでCFCで担い、どこから外部機関につないでいくのか、その課題整理と連携先の開拓が重要となります。

また、ケースの中でも緊急度と重要度はバラバラなため、ケースを分類し、目標を設定(状態目標と期間の設定)することも必要になってきます。

CFCが子どもやその環境に関わるすべての課題を解決することは困難です。ただし、各地域の福祉・医療・教育機関や専門家と連携をとっていくことで必ず解決に向かうものと思っています。そしてそれこそが、ユニットを地域ごとに定めた意味を深め、ブラシス面談の次のステージになるのではと思っています。(代表理事/奥野慧)

【参考】
・2018年5月~7月にケース検討・共有されたテーマ(件数順)
クーポン利用:7件/進路:7件/不登校:4件/学校関連(友人関係・いじめ等):4件/発達の課題:3件/ブラシスの悩み・相談:3件/面談未実施(子ども起因):3件/面談未実施(ブラシス起因):3件/生活・食事:3件/その他(保護者外国籍・電話不通等):3件/健康・心の問題:2件
計:42件 ※複数の課題をもつケースがあるため、ケース数と上記件数は合致しない

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