【リリース】「体験格差」解消のため、墨田区内の子どもの送迎を支援するトライアルを開始
子どもの体験格差※の解消に取り組む公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(以下CFC)は、ケアプロ株式会社(以下ケアプロ)と連携し、墨田区内の「ハロカル」の利用者のうち、子ども、またはその家族が障害や疾病などの理由で送迎が困難な場合において、送迎サービスの利用を支援するトライアルを開始いたします。
本トライアルを実施することで、送迎の支援が必要な子どもたちやその保護者のニーズを集め、取組の効果を検証します。
■ 取組の背景
「体験格差」を解消する上での課題のひとつが、子どもの送迎が困難な保護者をどのように支援するかです。
CFCが実施した『子どもの「体験格差」実態調査 最終報告書』では、「子どもの体験をさせてあげられなかった理由」として、年収300万円未満の家庭の51.5%が「保護者に時間的な余裕がないから(送迎、付き添いなど)」と回答しています。
中でも、子ども、またはその家族の障害や疾病などを理由に、子どもたちが体験への参加を諦めざるを得ないという声が届いています。
・ひとり親家庭であるため、子どもの送迎のための時間的余裕がない。
・子ども自身が障害や疾病を有しており、保護者が定期的に送迎するためには、とても大きな労力が必要である。
・子どもの家庭に障害や疾病を持つ家族がいるので、保護者がそのケアのために自宅を離れることが難しい。
■ トライアル支援の内容
・ CFCは、体験の参加費として利用できるクーポンを利用する墨田区内の家庭のうち、条件を満たす家庭(障害や疾病などにより送迎が困難である家庭)に対して、ケアプロの移動支援サービス「ドコケア」と連携して送迎を支援します。送迎は、ケアプロの看護師等の専門スタッフが行います。
・「ドコケア」の利用料は、チャンス・フォー・チルドレンが株式会社ケアプロに支払うため、各家庭は無償で送迎のサポートを受けることができます。
参照先: ドコケア(運営:株式会社ケアプロ) 送迎支援制度の利用者要項
■ 対象家庭
次の1から3の条件を満たす方を対象とします。
1. ハロカルホリデーの利用家庭であること
2. 利用者が、次のいずれかの理由に該当すること
(ア) 利用者自身の障害や疾病等により、保護者のみの介護・看護などでは利用者の送迎が難しいこと
(イ) 保護者やその他家族などが障害や疾病等を有しており、介助・看護などを必要としているため、保護者による利用者の送迎が難しいこと
(ウ) 上記に相当する特別の事情をCFCが認めること
3. アンケートやヒアリング調査に協力できること
■ 支援内容
ドコケアのサービス内で以下の費用が対象となります。
・送迎費(介護タクシーを利用する場合はその費用を含む)
・待機料金(利用者が体験に参加し、終了するまでの待機時間)
・送迎以外のサービス(体験中の介助等)が必要な場合は別途相談が必要。
なお、採択された場合は、金額の多寡に関係なく、本トライアル事業をホリデー期間中に3回まで利用することができます。
※ 子どもの体験格差とは、“子どもたちが自らの力で変えることのできない環境的要因によって、やりたい体験をあきらめざるを得ない状況”の結果、“低所得家庭の子どもの3人に1人が、学校外の体験が「何もない」”という社会課題を示しています。詳細は、CFCの『子どもの「体験格差」実態調査 最終報告書』(2023)をご参照ください。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
国内の子どもの貧困・教育格差解消を目的に、2009年にプロジェクト発足、東日本大震災の発生を受け、2011年6月に法人設立。経済的な理由で学校外教育を受けることができない経済困窮家庭の子どもたちに、学校外教育で利用できる「スタディクーポン」を提供するとともに、大学生ボランティアによる相談支援を行っている。2022年度より、体験格差の解消を目指す「子どもの体験奨学金事業『ハロカル』」を開始。
ケアプロ株式会社
日本初の自己採血によるセルフ健康チェック事業を開始することを目的に2007年12月に設立。革新的なヘルスケアサービスをプロデュースし、健康的な社会づくりに貢献することをミッションに掲げ、2012年より訪問看護事業、2020年より移動支援事業(ドコケア)、スポーツイベント救護事業(サッカーナース)を開始。第一回日経ソーシャルイニシアチブ大賞国内部門賞受賞。(https://carepro.co.jp/)