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震災から月日が経っても、忘れないでほしいこと~子どもたちの声を聞いて~

CFCブラザー・シスター(大学生ボランティア)の坂井ゆりあです。

私は震災の翌年の2012年からCFCで子どもたちと関わる活動をしています。子どもたちや保護者の方からの声を聞いて、今も様々なことを感じています。

6年間で、子どもたちを取り巻く状況は大きく変わりました。震災が起きてからの数年間は、被災状況や心のケアが重視されることが多かったように感じますが、最近はいじめや人間関係の問題が取り上げられることが多くなったように感じます。

◆震災による転居と孤立

私は面談を担当している子どもから、「震災がきっかけで引っ越した友達が、転校先の学校に上手くなじめず不登校になった」という話を聞きました。私が担当している子自身は転校後も楽しく学校に通えているようですが、「被災による転校」という同じ境遇の友達が辛い体験をしているのを見て、何か思うところがあったようです。それから同じクラスの不登校の子についてもよく話をしてくれるようになりました。最近テレビで福島からの避難児童へのいじめの問題について取り上げられていたこともありましたが、報道されていないだけでまだまだ多くの問題があると思っています。

また、私が担当している子どものお母さんとお話したとき、お母さんは「(避難先で震災のことを)誰にも話せなくて辛い」と言っていました。それでも「家族が宝物」と言って、一生懸命に家族を支えています。

このお母さんのように、震災の記憶の風化によって、辛い想いや不安を周りの人々には話すことが出来ず、苦しい想いをしている人が今でも大勢いらっしゃると思います。このような人々が頑張りすぎて心が折れそうになってしまったとき、誰か頼ることが出来る人がいればいいのですが、地域とのつながりが薄ければ、誰にも頼ることが出来ません。お母さんはそんな孤独とも戦っています。

◆周りとのギャップに苦しみながら生きている人の声を聞いてほしい

時間が経つほど震災について考える人は減っていきます。でも、大切なモノやヒトを失った経験はたった数年間でどうにかなるものではありません。被災された方の中には、今でも自分と周りのギャップに苦しみながら生きている人もいます。もし周りに被災して引っ越してきた人、もしくは困っている人がいたら、声をかけるだけでもその人にとっては精神的に大きな助けになると思います。

もうすぐ3月11日です。私はこれからもCFCの活動を通して子どもたちや保護者の方の声を聞き続け、困っている人を見捨てない社会を作っていきたいです。

【東北応援月間】東北の子どもたちに教育機会を届けよう

3月31日(土)まで、東北の子どもたちを継続的に応援する「CFCサポート会員」を100名募集しています。震災から7年経っても、まだできることがあります。
ぜひ活動にご参加ください。

「東北応援月間」詳細