那覇市「まなびクーポン」事業が拡大。クーポン提供対象となる子どもが増えました!
CFCは2020年度から、沖縄県那覇市の「那覇市まなびクーポン」事業を受託運営してきました。
これまでは生活保護世帯の小学4年生~6年生がクーポンの利用対象でしたが、2022年9月からは、新たに就学援助を受けている世帯および児童扶養手当を受給している世帯の小学4年生~6年生がクーポン利用対象に加わり、より多くの子どもたちに支援を届けることができるようになりました!
■沖縄で深刻な子どもの貧困と、対策としての「那覇市まなびクーポン」
沖縄県は、子どもの貧困率が29.9%と日本でも突出して高い地域です(2016年。日本の子どもの貧困率(2018年)は13.5%)。なかでも那覇市は、就学援助の受給率が高く、経済的に困難なご家庭が多い現状があります。
そのような背景から、那覇市は、2020年から生活保護世帯の小学4年生~6年生を対象に塾代等を助成する「那覇市まなびクーポン」事業を実施しており、CFCが当事業を受託運営してきました。
今回、沖縄の子どもの貧困における現状と、これまでの「那覇市まなびクーポン」の取り組みにおける成果が認められたこと等を背景に、クーポン利用対象世帯が拡大いたしました。
■現地パートナー「うむさんラボ」
なお、対象世帯の拡大に当たって、CFCは現地のパートナー「株式会社うむさんラボ」(沖縄県うるま市)と協働し、事業の受託運営を行うこととなりました。
同社は、シングルマザーの就労支援や社会的マイノリティの人材育成など、沖縄の様々な社会課題を解決することに取り組んでいる会社です。また、同社ご担当の秋吉晴子さんは、2004年からひとり親の当事者団体である「しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄」の代表としても活動されている方です。
このたびは、CFCが目指す「生まれた環境や一人ひとりの特性に関わらず、すべての子どもを多様な学びの機会によって包摂する」という社会像に共感していただき、協働することとなりました。
現地パートナーコメント
秋吉 晴子さん
(株式会社うむさんラボ/那覇市まなびクーポン運営事務局)
堺市生まれ、1999年サンゴ礁生態学を学ぶため沖縄に移住。2004年ひとり親支援のボランティア団体しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄設立。主な職歴は法律事務(19年)。現在那覇市で大学生の娘と離れて暮らす。
こんにちは。9月から現地サポートを担当することになった株式会社うむさんラボの一員として本事業に係わらせていただいております。
まだスタートして2カ月ですが、周知が広まるにつれ、利用したいという利用者(児童)の保護者からの問い合わせや、事業に共感したという事業者(塾経営者)からの資料請求などが日に日に多くなってきました。
これまでの経験を生かし、疲れて帰宅したお母さんからの電話に「ありがとう、お疲れ様」という気持ちを込め、また、すべての子どもたちにより良い教育をと願う事業者の方々に感謝を伝えながら、この素敵なまなびクーポン事業をさらに良きものにしていきたいと思っています。
近年、CFCが事業を受託運営してきた自治体以外にも、沖縄県では、豊見城市がクーポン型の学校外教育支援事業を実施しており、また沖縄県外では今年、福岡県福岡市や三重県伊勢市などが相次いでクーポン型の学校外教育支援事業を政策導入しました。
少しずつではありますが、CFCが取り組んできたスタディクーポンの仕組みが、自治体の制度として広がりつつあります。
今後も、行政・現地パートナー等と連携しながら、目の前の子どもたちをしっかりと支えると同時に、国や自治体の社会制度の変革に取り組み、1人でも多くの子どもたちが学びの機会を得られるよう、努めてまいります。
■事業概要
内容 | 家庭の経済的な理由で学校外教育を受けることができない子どもに対し、クーポンを発行し学習塾代等を助成する。 | 目的 | 放課後の教育格差を解消することで、子どもの意欲及び学力向上をはかり、将来的な貧困の連鎖の解消へと導く。 | 対象者 | 那覇市内在住の以下のいずれかの世帯の小学4年生から6年生 生活保護受給世帯、就学援助を受けている世帯、児童扶養手当を受給している世帯 |
利用先 | 学習塾、家庭教師、通信教育等の教育サービスで利用が可能。 | 実施主体 | 那覇市こどもみらい部こども政策課 | 運営事務局 | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン 株式会社うむさんラボ |
協力 | 公益財団法人みらいファンド沖縄 |
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