本日、阪神・淡路大震災から30年をむかえました。
本日、阪神・淡路大震災から30年を迎えました。震災の犠牲となられた多くの方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
現在、当法人は子どもの貧困・教育格差の課題に対して取り組んでいますが、さかのぼると活動の根幹には、この震災での経験があります。
■活動の原点は、阪神・淡路大震災
1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生し、神戸市などの阪神地域や淡路島北部等は大きな揺れに襲われました。
甚大な被害の中、避難所や病院などで学習する子どもたちに対して、ボランティアの家庭教師を派遣し始めた大学生たちがいました。その活動が、のちにCFCの前身であるNPO法人「ブレーンヒューマニティー」となりました。
その後、同法人は、子どもたちの要望を受けて、学習だけでなく、キャンプやハイキングなどのレクリエーション活動などの実施を開始しました。加えて、震災から時が経つにつれ、プログラムを提供する対象者も、被災した子どもたちだけでなく、広く関西地域の子どもたちへと拡大していきました。
そんななか2009年に生まれたのが、「チャンス・フォー・チルドレン」の活動です。
リーマンショックを契機に、経済困窮家庭の子どもたちが学校外での学習・体験の機会を得られないことに課題意識を持った大学生ボランティアが「子どもの貧困撲滅プロジェクト”Chance for Children”」を立ち上げました。初めてスタディクーポンを提供したのは、関西の高校生2人。学生たちが街頭募金で集めた寄付金が原資となりました。
(画像)街頭募金の様子。今も毎年実施しています。
■大災害と子どもの貧困
2011年、もう一つの転機が訪れました。東北で発生した東日本大震災です。「チャンス・フォー・チルドレン」は、この震災をきっかけに法人として独立し、東北で被災した子どもたちの学び支援を開始しました。
そして2016年からは、関西や東北での活動に加えて、全国各地の大災害で被災した子どもたちへの緊急支援にも取り組んでいます。2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨、そして2024年からは能登半島地震で被災した子ども支援プロジェクトを実施しています。
(画像)スタディクーポンを利用して学習する子ども
数年前にスタディクーポンを提供した、ある経済困窮家庭のお子さんは、祖父母が阪神・淡路大震災を契機に失業してしまったということを教えてくれました。
ご家庭が貧困状態に陥る背景は様々ですが、それぞれに長い歴史があり、それらは今この瞬間とひとつながりであると認識しています。ご家庭の突発的な貧困を、その次の世代に連鎖させないためには予防的な対策が欠かせません。私たちは、その1つが「教育」であると考え、活動を続けています。
「たまたま生まれ育った環境で、子どもたちの学ぶ機会が失われてはならない」
30年前より受け継がれているこの思いを胸に、これからも活動に尽力してまいります。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
共同代表 今井悠介 奥野慧