子どもの教育費は上昇しているのか~最新の『学習費調査』の結果から
ここ数年、「物価高」と言われて久しい状況が続いています。今年公開された日銀のレポートでも消費者物価について、2025年は昨年と同様の2%台の上昇が見込まれていました。
このような状況で、実際はどの程度、子どもの教育費は増加しているのでしょうか。2024年12月に、文部科学省による「学習費調査」の2023年版が公開されましたので、結果をご紹介します。
文部科学省が隔年で、家庭が幼稚園児~高校生にかけている「学習費」(以下、教育費と記載)について調査をしているもの。範囲には、「学校内」だけでなく、「学校外」での教育費も含まれており、全体や内訳の傾向を知ることができる。直近では、2023年、2021年(コロナ禍)、2018年に実施(それぞれの公開年は1年後)。
■「コロナ禍の終息」という視点
1点だけ、結果に入る前にお伝えしたい重要なポイントがあります。それは、今回公開された2023年調査は、【コロナ禍が終わってから初の実施】となったことです。
というのも、前回の2021年調査は、コロナ禍による休校・行事の中止などで学校の機能が弱まっていた時期に実施されました。このため、教育費の中でも、学習塾や習い事の費用などを示す「学校外活動費」が特に大きく上昇していました(13~17%前後の上昇)。
「物価高もあるが、コロナ禍が終息したことで学校外活動費はコロナ禍前の水準に戻るのか。」そういった視点で、結果をご紹介できればと思います。
■結果として、中高生ではコロナ禍前の水準に戻らず上昇傾向
調査結果に入ると、まず学校内外での教育費総額は、前回の2021年調査と比べて、公立小学校では減少(▲4.8%)、公立中学校では横ばい(+0.5%)、公立高校では増加(+16.6%)となっていました。
加えて、CFCが着目している「学校外活動費」ですが、学校段階別に過去3回分との比較を見てみると以下のようになっていました。

つまり、公立小学校ではコロナ禍前(2018年)の水準にほぼ戻った一方で、公立中学校や公立高校ではコロナ禍前(2018年)の水準より大きく上昇していることが分かりました。
■背景はコロナ禍の反動と物価高?
時事通信の報道によると、今回の結果に対して、文部科学省の担当者は「コロナ明けで留学や体験活動への支出が増えた。物価上昇も関係しているだろう」とコメントしているとのことでした。
個人的には、前回の2021年調査はコロナ禍の影響による上昇分が大きいのではないかと考えていたため、今回の2023年調査で「中高生の学校外での教育費がコロナ禍前より増えている」結果には少なからず驚き、危機感を持っている状況です。
いつまでこのトレンドが続くのか。子どもたちに適切なサポートを届けるために、引き続き状況を注視していきたいと思います。
*参考
・日本銀行「経済・物価情勢の展望 2025年1月」(2025年1月27日公開)
・文部科学省「子供の学習費調査」
・時事通信「高校まで私立、1976万円 過去最高、コロナ明け影響か―文科省」(2024年12月25日付時事ドットコムニュース)