ニュース

「年上だから」ではなく「年が近いから」こその特別な関係ー大学生ボランティアと3.11

皆さんこんにちは。CFCブラザー・シスターの東北学院大学3年仁井田名月です。今年度も残りわずかとなり、卒業の季節です。CFCで関わっている子どもたちの中にも卒業を迎える子どもたちがいます。

私は今、高校3年生の女の子と面談しています。明るく一生懸命な性格で、一緒に話している時間はとても楽しく、いつも時間を忘れてしまいます。私と彼女は、地理的な問題で電話面談をすることが多いのですが、最近、久しぶりに直接会ってお話することが出来ました。

◆子どもの表情から感じた「強さ」

彼女は一年前に会った時よりも服装や顔つきが大人っぽくなっていて、会話も以前より距離が近づいたように感じ、嬉しく思いました。東京の大学に入学することが決まったため、そろそろ一人暮らしを始めるようで、大学生活やアルバイトなど不安に思うことや春休みの楽しみについてなど、沢山お話しました。

そんな中でふと私が福島県出身だという話をしたとき、彼女は「震災の時、大丈夫でしたか?」と心配する様子で声をかけてくれました。これまで出たことがなかった震災の話。明るい性格で笑顔がとても似合う彼女ですが、このときの表情はこれまでに見たことがない真剣な表情をしていました。

私はこれまでの2年間、「年上の存在であるからこそ伝えられることがある」と思い、私自身の経験から彼女にアドバイスをしてきました。しかし、その彼女の表情を見たとき、彼女は私が思っているよりずっとしっかりした自分の考えを持っていて、現在や将来についてもずっと深く悩んだり考えたりしているのではないかと思いました。そして彼女の表情には、震災の経験をバネにして自分で前に進もうとしているような強さがありました。

◆なんでも話せる、特別な距離

私たちブラザー・シスターが子どもたちに対して、「年上だからこそ」できることはそう多くはないのかもしれません。しかし、「年が近いからこそ」できることはあるのかなと思います。私は、このことを彼女に教えてもらいました。

学校の先輩後輩の関係ではなく、妹のような感覚で接してこられたからこそ、私たちは悩みや不安などを吐き出せる関係でいられています。そして、悩みや不安を乗り越えようと頑張れる彼女の強さを知っている私だからこそ、彼女の力を信じて彼女を応援してこられました。そんな彼女に私自身、励まされることもたくさんありました。

彼女はこの春には高校を卒業してしまいます。しかし、これから離れてしまっても、お互いにこの特別な関係を胸の中にとどめ、将来への志を持って歩んでいけたらと思っています。

【東日本大震災で被災した子どもたちを支えるために、今あなたにできること】

東日本大震災から6年が経った今も、被災した子どもたちは不安な日々を過ごしています。これからの復興を担う子どもたちが夢に向かって学ぶチャンスを得られるよう、あなたの力を貸してください。