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【3.11から15年】被災地域の子どもたちの現状に理解を深めるため、勉強会を行いました

本日、東日本大震災発生から15年を迎えました。

CFCの活動は、もともと関西の子ども支援NPOのいちプロジェクトとして始まりました。
2011年に発生した東日本大震災を機に法人を設立。以来、東北を含む全国10都府県で、経済困窮家庭の子どもたちの学びを支えるスタディクーポン事業を展開してきました。
現在は東北に限らず幅広い地域の子どもたちの支援を続けていますが、3月11日は、団体が設立するきっかけであり、活動の原点を思い起こす日でもあります。

一方、震災から年月が経ったことで、私たちがクーポンを提供する子どもやご家庭が震災当時の経験や影響を直接話してくれる機会も少なくなってきました。
それにより、特に東京で活動しているスタッフからは、被災した地域の現状や、震災が子どもたちや家庭に与え続けている影響が見えづらくなってきているのが実情です。

そこで、震災から15年目を前に、あらためて被災地域の子どもたちがおかれる現状や、今なお続く震災の影響について理解を深めるため、先日、スタッフ・大学生ボランティアを対象とした勉強会を実施しました。

講師としてお招きしたのは、特定非営利活動法人TEDIC(テディック)の千葉 茉亜莉(ちば まあり)さん。

TEDICで支援している子どもたちの中には、経済的に困窮し日常生活や学校生活を送れない子どもや、悩みを抱え孤立している子ども、障害や病気などの理由で親やきょうだいのケアを担う子どもなど、様々な困難を抱えている子どもたちがいます。

そんな子どもや若者のニーズに合わせ、TEDICでは宮城県石巻市を拠点に、経済困窮家庭の子ども・若者や家庭の相談支援、学習生活支援、不登校の子どもたちの居場所づくりなどに取り組んでいます。


<キャプション>学生時代はCFCで大学生ボランティアとして活動していた千葉さん(写真中央)

■震災のトラウマや引きこもり・・・石巻で今なお続く影響

石巻は震災で大きな被害を受けた地域の一つです。
勉強会の中では、震災が現在も石巻の子どもや家庭に及ぼしている影響について、日頃から現場で子どもや若者と接している千葉さんにお聞きしました。

千葉さんがTEDICの活動の中で出会う若者たちの中には、20代になった今もなお当時の体験を語る人がいることや、震災をきっかけに引きこもり状態となり、その状態が現在まで続いているケースもあるそうです。
震災当時は幼くて覚えていなかったことを、中学生くらいになってから急に思い出して怖くなってしまったという子どももいたと言います。

大震災の経験は、月日が経過しても生活面の変化やトラウマなど、さまざまな形で被災した方々に影響を及ぼしていることをあらためて感じさせられました。


<キャプション>東京事務局のスタッフや東京・仙台の大学生ボランティアを中心に千葉さんのお話しを伺いました

■地域のつながりが途切れ、孤立する家庭や子どもたち

また、石巻には被災家庭や困窮家庭を対象としたさまざまな支援制度がありますが、そうした支援にたどり着けない家庭も少なくありません。

震災により地域とのつながりを失った家庭の中には、新たな人間関係を築く余裕が持てないまま孤立し、困難度合いが深まったり、複合的な困難を抱えてしまったりすることもあります。

CFCで支援しているある東北のご家庭も、被災し転居したのちにひとり親家庭となり、生活基盤が不安定になりました。
お子さんもそうした家庭環境の変化もあいまって不登校となり、現在も不登校状態が続いています。

千葉さんはまた、家庭の困難な状況が長期化した結果、自分の気持ちを日常的に抑え込まざるを得なかった子どもたちも多く、子どもたちと関わる限られた時間の中で、子どもたちが自分らしくいられる環境を作ることの難しさについてもお話ししてくださいました。

こうした事例からも、震災の影響が長期にわたり、様々な形で子どもたちや家庭に及んでいることを感じさせられます。


<キャプション>震災後に設置された石巻市内の仮設住宅の様子

■「あきらめなくていいんだ」と思えるきっかけをくれたクーポン

一方、困難な状況にありながら、スタディクーポンに繋がったことで将来の道が開けた子どもたちもいます。

TEDICからの紹介をきっかけにスタディクーポンの利用をはじめたある男の子は、経済的な理由から進学をあきらめかけていましたが、クーポンを活用して受験期を乗り越えて高校へ進学しました。
この春に高校卒業を控え、4月から就職を予定しています。

「自分は無理だ」とあきらめていた選択肢を、あきらめずに済んだ。その経験が、就職という次の一歩につながっていきました。

また、クーポンを利用する子どもたちに寄り添う大学生ボランティアも、これまでの経験から大人に心を開くのが難しい子どもたちにとって大きな存在です。

千葉さんが接する子どもたちの中にも「あの時●●さんが応援してくれた」と、大学生との思い出を話してくれる子が多く、年齢の近い立場の大学生が子どもたちの心の支えになっていることをお話ししてくださいました。

■地域とのつながりを絶やさず、子どもたちを支え続ける

今回の勉強会を通して、発生から15年が経った今もなお、震災が子どもたちの人生や家庭に大きな影響を及ぼしていることや、被災により長期にわたり困難な状況に置かれたことで、支援が届きづらくなっている現状があることをあらためて感じました。

一方、スタディクーポンが困難な状況下にある子どもたちの選択肢を増やすきっかけとなっていることや、子どもたちにとっての大学生ボランティアの存在の大きさなどを実感し、東北で子どもたちを継続的にサポートし続けることの意義も、今回の勉強会を通じて再認識しました。

特に、震災の影響を受けて育った子どもたちが大人になり困難な状況に陥ってしまった時、その影響が彼ら・彼女らの子どもたちにも及ぶことを考えると、いかに長期的に被災地域と関わり続けることができるかという視点を持つことが大切だと感じています。

引き続き、これまで支援を行ってきた地域とのつながりを絶やすことなく、被災家庭や経済困窮家庭の子どもたちの学びを支える活動を続けていきたいと思います。

お忙しい中、勉強会講師としてお話しくださった千葉さん、本当にありがとうございました。

【本日16時まで、仙台市内で募金活動を行っています】



CFCでは、毎年3月11日に大学生ボランティアが中心となって街頭募金活動を実施しています。今年も仙台駅付近の2箇所で募金活動を行います。お近くにいらっしゃる皆さまは、ぜひ足をお運びいただけますと幸いです。

>>詳細はこちら

※お近くにお住まいでない方は、ぜひオンライン募金にてご協力をお願いいたします。
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