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「楽しいと思える面談に」 子どもたちに“笑顔”を届ける大学生ボランティア

「今日を楽しみにしてました!」。ブラザー・シスター(ブラシス)の大学3年、宮田和花(21)は、担当している子どもに電話面談で開口一番そう声をかけられた。人気アニメの話で盛り上がる。

「この子に教えてもらったアニメなんですけど、見てみたらはまっちゃって……」と笑顔で話す。「純粋に楽しいなと思って話していますね」。電話越しでも明るい性格が伝わるほどの元気な声は、素直な気持ちから溢れ出ている。

◆「私、役に立っているのかな」と悩んだ日々

「大学生になったら何かボランティアをしよう」。大学1年の時、CFCを知った。他のブラシスのメンバーやCFC職員の楽しい雰囲気にひかれ、ブラシスになった。

初めは子どもとうまく会話を続けることができず、思い悩んだ時期もあった。3人兄弟の末っ子。これまで歳下の子と話をする機会がなく、どう話を弾ませればいいのかわからなかった。「私、役に立っているのかな」と悩み、ブラシスをやめようと思ったこともあった。

ブラシスを始めて1年が経った頃、子どもたちからのアンケートを見た。担当した子どもは、「宮田さんに継続して担当してもらいたい」と希望を出してきた。嬉しかった。「求められているのであれば、もうちょっと頑張ってみたい」とブラシスをやめるのを踏みとどまった。


(画像)ブラシス研修の様子。面談での悩みを仲間や専門家に相談する。

今ではその子の個性に合った電話面談ができるようになってきた。「数学の勉強苦手なんですけど、どうしたらいいですか」と尋ねられると、「私も苦手だったよ。とにかく問題集を解いてきたかな」と経験に基づくアドバイスをする。部活であまり学習の時間がとれない子には「通信教材もあるよ」と状況に合った学び方を薦める。

◆子どもたちに“笑顔”を届ける面談に

担当している子どもたちは多様。部活動に一生懸命になっている子や、クーポンで音楽教室に通っている子もいる。「勉強だけがすべてじゃない。自分がやりたいと思って頑張ったことは忘れない。だから、一生懸命になれていることは全力で応援したいんです」。

自身も高校時代は部活に明け暮れた。陸上部に入り、走高跳びに夢中で取り組んだ。厳しいトレーニングを3年間、乗り越えてきたことが今でも自信になっている。


(画像)明るい笑顔で周りを和ませるムードメーカーとして、積極的に活動に参加する。

「話す内容は子どもたちによってそれぞれですが、共通して意識しているのは話す『リズム』を合わせるようにしていることです」。ブラシスになって3年。話が弾み、楽しそうな声を聞く度に、やりがいを噛み締める。

「少しでも明るい気持ちになって『頑張ろう』と思ってもらえたら」と、いつも電話越しに“笑顔”を届けている。

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