東日本大震災から4年を迎えて
「小学校卒業式1週間前に東日本大震災にあいました。あの震災のせいで、楽しみにしていたはかまを着て卒業式をすることもできず、母は仕事を失い、そして大好きで父親がわりでもあった祖父を亡くしました。母が仕事を失ったことで通っていた塾を辞めました。中学生になってどんどん勉強は難しくなり不安でした。私は小さいころから製菓衛生士になりたいという夢があったけど、そのためには専門の科がある高校に入学できるかわからなかったからです。」
これは、宮城県石巻市で被災した子どもから寄せられた声です。
私たちは、東日本大震災直後より、被災により経済的に厳しい状況に置かれている子ども達に対して、塾や習い事等で利用できるクーポン券を提供していますが、昨年度は募集定員約160名に対して、1,800名以上もの応募があり、1,600人以上が落選しました。
クーポンの応募には、家庭の所得・収入状況など制限を設けており、応募されるどの家庭も大変厳しい状況にあります。そして、どの子ども達も夢を持ち、学ぶ意欲を持っています。ですが、子ども達を支援するための資金が追い付かず、全ての子ども達に十分な支援を届けることができていません。
東日本大震災から4年の歳月が流れ、世間では震災の記憶が風化しつつあるように感じますが、被災から4年経った今も、多くの被災家庭は震災のダメージから回復できていません。近年の被災地の子どもに関する調査では、以下のことが明らかになっています。
・年収250万円未満の世帯が、東日本大震災前後で約8%増加
・経済的な理由で塾・習い事に通えない子ども(中3生)が約75%(全国平均約39%)
【出所】被災地・子ども教育調査
被災により多くのものを失った子ども達は、今も厳しい環境に置かれています。震災という不可抗力によって、子どもの夢や希望が絶たれてしまうことだけは、何としてでも食い止めなければなりません。子ども達のためにできることはたくさんあります。被災した子ども達が夢を諦めてしまう前に、皆さまのお力を貸してください。
震災から4年というこの節目の日に、どうかご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)
代表理事 今井 悠介、奥野 慧
◆被災地の子どもたちへの支援を始めたい方へ
毎月1000円で被災した子どもたちを支援するCFCサポート会員(子どもたちへの継続寄付)へのご入会をご検討ください。
◆東北の子どもたちの現状についてもっと知りたい方へ
3/26(木)20:00~東銀座にて講演会を実施します。CFCの代表から被災地の子ども達の現状等についてお話させていただきます。