アドバイザーからのメッセージ
2013/10/18 ニュース
アドバイザー・トレーナー
高橋 聡美 様
防衛医科大学校医学教育部 教授
国立精神神経センター等で看護師として勤務後、スウェーデンで2年間精神医療保健に関する調査を行う。2006年より仙台で遺族のためのわかちあいの会を開催。宮城大学看護学科助手、つくば国際大学医療保健学部看護学科精神看護学教授を経て現職。博士(医学)
この度の大震災では子ども達はあまりに多くのものを失くしました。大切な人や町を失い、今まで当たり前にやっていたスポーツや習い事や学習もできなくなりました。彼らが未来の希望まで見失わないような支援を私たちは届けなければなりません。子ども達の学習を支えることは子ども達のQOLのみならず、未来の質(Quality of future)をも支えることになります。チャンス・フォー・チルドレンの活動は子ども達の未来を支える活動だと確信します。自分の描く人生を歩める学習の機会を全ての被災地の子ども達に。チャンス・フォー・チルドレンの活動を応援します。

アドバイザー
武井 敦史 様
静岡大学大学院教育学研究科 教授
日本学術振興会特別研究員、兵庫教育大学准教授等を経て現在静岡大学大学院教授。著書に「学校づくりの組織論」(学文社 2011、共編著)、「時代の転換と学校経営改革」(学文社 2007 共著)、「不登校の子どものための居場所とネットワーク」(学事出版 2009 共著)など。
日本は近年大きな試練を経験しました。そしてこれらからもしばらくの間は社会的ストレスから解放されそうにありません。社会のストレスが高まると一番犠牲となるのは自らの状態を訴えることの出来ない子どもたちです。
CFCの活動規模は、官公庁の事業に比べればごく小さなものです。けれどもクーポンを受け取って成長の機会を得ることにどれほど大きな価値があるのか、子どもたちの気持ちを想像しただけで私は嬉しくなります。子どもの目線で支援を行う若者のファイトに心からエールを送ります。

アドバイザー
田村 太郎 様
(一財)ダイバーシティ研究所 代表理事
阪神・淡路大震災で被災した外国人被災者の支援活動を機にNPOの世界に。2007年にダイバーシティ研究所を設立。CSRや市民と企業のコミュニケーションによるダイバーシティ社会の実現をめざしている。
子ども達を「気の毒な」存在とせず、力あるものととらえてその力を伸ばそうとする試みであることと、被災地の学習支援活動に資金を環流させるしくみであることが、Chance for Childrenのユニークさです。震災以降、被災地の子どもを支援するフレームがたくさん生まれましたが、10年後に評価されるのはこのフレームだと思っています。みなさんもぜひ、ご支援ください!

アドバイザー・トレーナー
出村 和子 様
社会福祉法人仙台いのちの電話 理事
東北学院大学卒業後、米国へ留学。東北学院大学助教授を経て、社会福祉法人「仙台いのちの電話」を創設。尚絅女学院短期大学教授と弘前学院大学大学院教授を経て、前仙台市教育委員長などを務める。現在「一般社団法人日本いのちの電話連盟」理事、弘前学院大学客員教授。
多くの機会に恵まれぬ子ども達に未来の夢を与えるきっかけを、ボランティア学生の協力で進めているこの活動に敬意を表します。学生さんも、ボランティア精神の真の意味を学び、この機会に別の世界を見るきっかけとなり、子どもたちと若者が共に次代を担い、すばらしい社会を創造できると期待し、この活動を心から応援します。

アドバイザー
苫野 一徳 様
熊本大学教育学部 准教授
博士(教育学)。早稲田大学教育・総合科学学術院助手等を経て現職。専攻は哲学・教育学。著書に『どのような教育が「よい」教育か』(講談社)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『教育の力』(講談社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など多数。
学校外教育のウェイトが比較的高い日本の教育現状においては、学校外教育の機会もまた、できるだけ均等にしていくことが望まれます。その意味で、CFCの学校外バウチャーは極めて画期的なアイデアだと思います。もちろん中長期的には、学校外教育にできるだけ頼る必要のない、公教育や社会のあり方を構想していく必要があるでしょう。しかし現実問題、学校外教育はこれからもしばらくの間、学校教育を補完する重要な教育機会であり続けるでしょう。この学校外教育の機会の不平等に着目し、これを是正することをミッションとしたCFC。心から応援しております!

アドバイザー
中室 牧子 様
慶應義塾大学総合政策学部 准教授
1998年慶應義塾大学環境情報学部卒。日本銀行・世界銀行を経て、2010年米ニューヨーク市のコロンビア大学で修士課程を修了。東北大学を経て現職。教育経済学の教育と研究に携わる。
「教育にエビデンス(科学的根拠)のある政策を」というのが私のかねてからの主張です。しかし、様々な教育政策や教育実践が、本当に子どもの学力や潜在能力を引き上げる効果があったのかを科学的に明らかにすることは、評価する側にとっても、そして評価される側にとっても容易なことではありません。チャンス・フォー・チルドレンは、設立当初から外部の研究者チームによる徹底した評価を受け、学校外教育クーポンが子どもたちの認知能力や非認知能力にどのような効果をもたらしたのかを科学的に計測する努力を続けてきました。社会に対する責任ある、そして正直なあり方に強く共感し、また「教育にエビデンスのある政策を」という私の主張とも重なるところがあります。引き続き、チャンス・フォー・チルドレンに対するご支援をお願い申し上げます。

アドバイザー・トレーナー
長尾 文雄 様
特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー 理事
大阪女学院大学・短大 非常勤講師
関西学院大学卒、関西学院職員、社会福祉法人「関西いのちの電話」事務局長を経て、フリーランス。大阪女学院短大・大学、南山短期大学、追手門学院大学などの非常勤講師を兼務
家庭の貧困は子どもの学習機会を奪い、子どもの知・体・心の成長を低下させ、次世代の貧困を生む。社会的最重要課題の一つです。2009年11月に兵庫県西宮市で、学生たちがささやかな活動を立ち上げました。家庭の経済的困窮のため学校外教育(学習塾や習い事、キャンプ活動など)に参加できない子どもにチャンスを提供したいという想いを形にしたのです。システムが動きはじめて3年目。東日本大震災が発生。このシステムを活用して、被災した子どもに継続的な復興支援にしようと新たに仙台にCFCの拠点を置き、活動を開始。被災児童の学習機会と自然や仲間と触れる野外活動の機会の提供、サポートする学生ボランティアの成長、そして被災地の学校外教育機関の支援を課題にして取り組んでいます。推進しているスタッフはかつて西宮でCFCを立ち上げたメンバーが中心となっています。社会的課題を解決しようとするこの活動が拡がるように応援しています。

アドバイザー
半羽 利美佳 様
武庫川女子大学文学部心理・社会福祉学科 准教授
高校卒業後、渡米。ミシガン大学大学院でスクールソーシャルワークを学び、帰国後、関西スクールソーシャルワーク研究会を発足。大学で教鞭をとりながら、スクールソーシャルワーカーとしても活動中。
色々なことを柔軟に吸収できる心と体をもっている子どもたちが、今のこの時期に学ぶことの意味は計り知れません。しかし、自分の力ではどうすることもできない理由で、学ぶチャンスが思うように得られない子どもたちがいます。そんな子どもたちの将来の選択肢を広げたいという願いのつまったChance for Childrenを心から応援します。

外部評価者
赤林 英夫 様
慶應義塾大学経済学部 教授(教育の経済学専攻)
シカゴ大学博士課程修了(経済学博士)。通商産業省、マイアミ大学、世界銀行を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は教育政策評価、応用ミクロ経済学他。
民間団体による支援活動の社会的価値が認知されるためには、寄付者や社会に対し、活動の状況だけでなく、その成果も説明していくことが必要です。この国際的には当然のことが、我が国では必ずしも浸透していません。
Chance for Childrenは社会に対して真摯に説明責任を果たそうとしています。私はその姿勢を心から応援し、彼らの事業評価と改善のために支援をしたいと思います。