ニュース

子どもと顔を合わせて気づいたこと

こんにちは!早くも明日から7月、すっかり夏ですね!CFC大学生ボランティア(ブラザー・シスター)の山口 秋音(やまぐち あきね)です。

CFCのクーポンを利用している子どもたちは、東北全県に居住していたり、中には東北以外に避難している子どももいるため、私たちは電話で面談をすることが多いですが、今回は昨年度担当していた女の子と直接会って面談したときに感じたことをお話ししたいと思います。

子どもと顔を合わせて気づいたこと

当時、彼女は大学で英語を学びたいと考えている高校3年生。私にとって、彼女との対面での面談が初めて機会だったのですが、電話と対面の2種類の面談を通して、これまで自分が行っていた電話でのコミュニケーションについて気づいたことがありました。

私は、電話面談では声の印象や話している内容から、相手の人物像を「こんな感じかな?」とイメージすることで会話を進めていました。例えば、相手を「やさしくて、少し控えめな子」とイメージした場合、相手の話に言葉を返すときに、「(やさしい子なら/控えめな子ならこう思うだろうから)それで○○だったんじゃない?」などと考えて、言葉を返すでしょう。

しかし、もしその子が想像とは異なり、本当は「活発で、明るい子」だったとしたら、相手はこちらの返答とは全く異なることを考えているかもしれません。そういった場合に、もし話の流れを修正しないで会話を進めてしまったら、相手の本当の気持ちや本当に話したかったことは会話に出てくることなく終わってしまいます。年齢の低い小学生くらいの相手であれば、その子は自分が本当はなにを話したかったのか、気づくことすらできないかもしれません。

つまり、相手をイメージしながら会話を進めることは、時に話題の内容を制限したり、話題の方向性を規定したりしてしまう恐れがあると思います。相手と会話をしているときに、会話の話題が自分の描く「相手像」に依存してしまうのは、とても残念だし、もったいないことです。

勉強中

(画像)ブラザー・シスターは、子どもたちとのより良い面談に向けて、毎日奮闘しています!

実際、私が子どもと顔を合わせて面談したときは、自分が描いた「相手像」に頼ることなく、相手の人となりや表情を見ながら話すことができました。そのおかげで、それまでの電話面談では出なかったような話題も出て、よりたくさんのことを話すことができました。

電話で相手をイメージしながら話すことは、話をスムーズに展開させたり、相手の立場に立って考えたりすることを可能にする点で優れていると思いますが、今後電話で面談を行う際には、自分のイメージに任せて会話をしてしまうと、こういったすれ違いの危険もあるということを忘れずに、子どもたちとコミュニケーションをとっていこうと考えています。

私たちの役割

私が面談を担当していたこの女の子はこの春、高校を卒業して大学に進学することになりました。

彼女の身近には、大学の一般入試を受験する生徒は多くなかったそうですが、そんな中でも、彼女はまっすぐ前を向いて勉強に励んでおり、彼女の芯の強さは電話の向こうにいる私にも十分に伝わってくるほどのものでした。

実は、彼女も始めは大学に対して少し不安を抱いていたそうです。ですが、面談を重ねるうちに大学生活を楽しみに思うようになったそうです。

彼女がしっかりとした芯の強い自分を持っていたように、誰しもみんないいところを持っています。私たちブラザー・シスターの役割のひとつは、それを発揮する勇気を持てるように、少しだけ背中を押してあげることなのかなと考えています。

CFC東日本シスター
山口秋音(東北学院大学 教養学部人間科学科 4年)