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子どもたちを応援することで、自分も東北の復興の力となりたい(大学生ボランティアの声)

こんにちは。CFCブラザー・シスターの山本修平です。私たちは、CFCクーポンを利用する子どもたちと継続的に面談を行う活動をしています。

そもそも、私がCFCの活動に参加しようときっかけの一つは、大学の先生が子どもに科学や実験の楽しさを伝えるプログラムに補助要員として参加したことです。

小学生ぐらいの子たちは、こちらの指示どおりに実験しようとはせず、思い付きで、自由に進めようとする姿勢が印象的でした。私は手順通りに進めないと気が済まない性格で、型にはめて考えてしまうことが多いので、子どもたちが持つ柔軟で自由なパワーから学べることは多いと思うようになりました。

◆避難生活でお世話になったボランティアの存在の大きさ

そして、もうひとつCFCに参加しようと思った理由があります。それは、復興に役立つことをしたいという思いからです。

私の実家は福島第一原子力発電所から数㎞の場所にあり、地震発生の翌日には別の町に避難をすることになりました。2、3日すればすぐに戻れると思っていたので、ほとんど何も持たずに避難所へ行きました。しかし、実際は予想以上に避難が長引くことになりました。

物も、居場所もなく、ストレスであふれかえった避難生活を送る中で、衣服をもらったり、炊き出しをしていただいたりして、たくさんのボランティアの方にお世話になりました。ボランティアの方とのちょっとした会話でも、孤独や不安が和らぐような気がしました。

当時は自分のことだけで精一杯でしたが、周りには被災地のため、他人のために活動している人が何人もいました。私は、ただ助けてもらっているばかりである状況に情けなさ、もどかしさを感じていました。

◆大学入学をきっかけに、福島で被災した自分を客観的に見られるように

大学入学を機に、福島を離れて、少し客観的に被災地を見つめることができるようになりました。これは仕方がないことですが、被災地には助けてもらうことに慣れてしまって、自分の力で前に進む気持ちを失ってしまった人もいると思います。

私も被災者意識が強くなって、当時に感じたもどかしさを忘れてしまっていたことに気づきました。いつまでも被災者として過ごすのではなく、自分自身が今できることで被災地の復興のために役立ちたい、と思うようになりました。

ただ、具体的な方法は分からず、行動する勇気もないまま3年が経過してしまいました。4年生になってから、たまたま大学でCFCの存在を知り、その活動に興味を持ちました。私の周囲にも被災して進学を諦めたり、進路の変更を余儀なくされたりした人がいたからです。

人は、それほど親密な関係でなくても、他人を支えることができるのだと震災を通して感じました。私が関わり、支えることができた子どもたちが、自分の将来を自分で決めて目標を達成していけるのであれば、それは何かしらの形で復興への力となるはず。そう考え、思い切って4年生から参加することにしました。

◆子どもたちを応援することで、自分自身も復興の力となりたい

私が子どもとの面談で特に意識しているのは「傾聴」です。 子どもの置かれた環境や人生の背景をふまえること、考えを引き出してあげること、話がお説教にならないようにすること・・・意識することは無限にあります。実践するのはなかなか難しいですが、仲間たちと話し合ったり、反省したりする過程で、相手を思いやる方法や会話の展開の仕方に新たな発見がみられるのは面白いです。

私が担当している子どもは2人とも、被災のつらい過去がありながらも現実に負けずに生きていこうとする姿勢がひしひしと感じられます。2人と話していて私が影響を受けたり、前向きになれたりすることも多いため、CFCの活動では、子どもと学生ボランティアの相互に良い作用があると感じています。

私は4月から大学院生となりましたが、CFCの活動にもこれまで同様参加していきます。この春から新しく面談を受け持つ子どもたちに対しても傾聴を心がけ、信頼関係を築けるよう努力していきます。(山本修平/東北大学大学院 農学研究科 修士1年)

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