地域の力で広がる多様な学びの場「鎌倉市放課後エンパワーメントプロジェクト」近況報告

こんにちは。東京事業部の石川です。
CFCでは、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)とともに、子どもの教育機会提供事業「CHANCE!」に取り組んでいます。
本取り組みの一環として、昨年11月からは教育格差解消に取り組む自治体への支援を開始。
第一弾の協働先である鎌倉市において「鎌倉市放課後エンパワーメント・プロジェクト」(通称:エンプロ)を立ち上げました。
※参考:【記者会見の報告】SMBCグループ×鎌倉市と新たな協働事業を開始します!(2024年9月30日)
子どもたちを地域の多様な学びにつなぐ「エンプロ」
「エンプロ」は、鎌倉市の経済困窮家庭の子どもたちに、学習やスポーツ、文化・芸術活動、自然体験、社会体験といった、地域の多様な学びの場で利用できるクーポンを提供する取り組みです。
2024年度は、中学生121名に1人あたり5万円分のクーポンを提供しました。
2025年度からは対象を小学4年生~中学生に広げ、1人あたり8~10万円分のクーポンを計386名(10月末時点)に提供しています。
クーポンを利用した子どもたちからは、以下のような声が寄せられました。
「好きな事がみつかってよかったです。」
「水泳教室で泳ぎを教わり、泳げなかった僕が背泳ぎとクロールが出来るようになりました。」
「エンプロ」をきっかけにつながる子どもと地域のご縁
鎌倉市には、自然や多くの神社仏閣等の歴史的遺産に加え、地域に長年根付いて運営されている学習塾や習い事教室など、子どもたちの放課後の学びを支える豊かな環境があります。


こうした豊かな地域資源を活かし、子どもたちが自分の興味や関心に応じて多様な学びと出会えるよう、「エンプロ」開始当初からクーポン利用先の開拓に力を入れてきました。
具体的には、鎌倉の地に根ざして子ども支援や体験支援などの活動を続けているNPOや個人の方が「地域コーディネーター」を担い、子どもたちに学習機会や体験プログラムを提供してくださる地域の教室やクラブ、団体が「エンプロ」に参画するサポートを行います。
2025年1月時点のクーポン利用先は34教室でしたが、地域コーディネーターの尽力により、現在では171教室(10月末時点)に拡大しました。


「エンプロ」では、鎌倉市深沢で10年以上にわたり子どもの居場所づくりに取り組んできた認定NPO法人鎌倉あそび基地の水澤麻美さんに地域コーディネーターとしてご協力いただいています。
「エンプロ」の地域コーディネーターとしてどのような思いで活動されているのか、水澤さんからメッセージを寄せていただきました。
「鎌倉市放課後エンパワーメント・プロジェクト」地域コーディネーター
水澤麻美(認定NPO法人鎌倉あそび基地 代表)
CFCとの出会いは、自団体のエンプロ事業者登録がきっかけでした。
当団体が運営するフリースクールLargoでは、プロの方に講師をお願いして、子どもたちの「好き」「やってみたい」という気持ちや個性を大切にしたワークショップを提供しています。
エンプロの事業の意義、それからCFCの立ち上げまでの経緯や活動にかける思いを伺って大変共感するとともに、これまで当団体が大切にしてきた地域の方々とのご縁を、一人でも多くの子どもたちの笑顔に繋げられたら、という気持ちで地域コーディネーターをお引き受けしました。
鎌倉は、市民活動発祥の地であり、強い思いをもって活動している方が多いまちです。
アーティストや作家として活躍される傍ら、子どもたちのために個性的な習い事として提供している方もたくさんいらっしゃいます。
そういった方々へエンプロの事業者登録についてご案内すると、「こんな素敵な取り組み、どんどん広めていきたいよね」と、多くの方にご賛同いただきますし、子どもたちの置かれた状況をみなさんと共に改めて考える、貴重な機会にもなっています。
これは、鎌倉に育つすべての子どもたちとって、大変幸せなことではないでしょうか。
エンプロがきっかけで繋がる子どもたちと地域の方々とのご縁は、「経済的な貧困」だけでなく、子どもたちがいま直面している「人間関係の貧困」にこそ効いてくる、そう考えています。
エンプロに関わらせていただくことで、私自身の大きな学びにもなっており、心から感謝しております。
引き続きご一緒に頑張ってまいりましょう。
長年の活動を通じて子どもたちの気持ちに寄り添い、地域の方々とのご縁を大切につむいでこられた水澤さん。
「エンプロ」をきっかけに子どもたちが学びや体験を通じて地域とのつながりを深めていけるよう、これからも地域の皆さんと連携しながら事業に取り組んでいきます。
(東京事業部 石川謙太)