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「子どもたちの選択肢を広げる取り組み」(能島理事から皆さまへのメッセージ)

現在CFCでは、「マンスリーサポーター100人募集キャンペーン」を実施しています。今回のキャンペーンに際し、理事の能島から支援者の皆さまにメッセージがあります。

能島は、CFCの設立母体となったNPO法人ブレーンヒューマニティーの顧問のほか、尼崎市に設置された「尼崎市学びと育ち研究所」の副所長なども務めています。ぜひご覧ください。

能島理事からのメッセージ

「子どもたちの選択肢を広げる取り組み」

「貧しさとは選べないこと。」以前、CFC代表理事の奥野に対して、あるお母さんが言った言葉です。奥野からその言葉を聞き、ずっと心の中に残っています。

私たちは、日々の生活を送る中で様々な選択や意思決定を行っています。小さな選択もあれば、人生を変えてしまうような大きな選択もあります。私たちはその選択を積み重ねていくことの中で、自分という存在を作り上げているといっても過言ではありません。

しかし、その選択肢はすべての人に等しく与えられているものではありません。経済的に困窮している状態は、その人の人生の選択肢を大きく狭めてしまいます。

経済的な事情によって、希望する進路を選ぶことができない、自分自身が望む学びや体験の機会を得ることができない。そのような機会の格差だけでなく、近年では経済的に困窮している状態がその人の意欲にも影響を与えているという研究結果も多く出されています。

一般には努力するか否かは個人の選択によるものと思われていますが、努力するという意欲すら家庭の経済的環境によって影響を受けるとすれば、努力するという選択肢すら制約を受けているといえます。

神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授は、人々の主観的幸福感に影響を与えている要因を研究する中で、従来は所得、学歴、健康、人間関係などが主たる要因であるとされていたところに、新たに「自己決定」という要素が極めて重要な影響を持つことを明らかにしました。

「自己決定」は、所得や学歴よりも主観的幸福感に大きな影響を与えるという結論が得られたそうです。この研究での「自己決定」はあくまで高校や大学の進学先や就職の際の進路を自分で決めることができたかを問うものですが、人々の幸福感に「選択」が与える影響を示したものであるといえます。

CFCは2009年の活動開始から常に「すべての子どもたちに機会を」と訴えてきました。それは単に子どもたちに機会を提供するということだけではなく、子どもやその親が自ら選択できることの幅を広げているということでもあります。

もし、機会を提供するだけであれば、無料の学習支援や体験活動の無料招待などを行ってもよいかもしれませんが、私たちはあえてクーポンを提供するという取組を続けています。クーポンを提供するということは、子どもや保護者自身が自らに最も適した、自らが最も望むサービスを自分で選ぶということを意味します。

私たちはこれからも、子どもたちの選択肢を広げるため、この取組を継続していきたいと思っています。どうか、そのためにもご支援をよろしくお願いいたします。

能島裕介 プロフィール
公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン理事
NPO法人ブレーンヒューマニティー顧問

1975年神戸生。関西学院大学法学部に入学後、友人らとともにブレーンヒューマ二ティーの前身となる関学学習指導会を設立。阪神・淡路大震災後、被災した子どもたちの支援活動を展開。大学卒業後、株式会社住友銀行(現・三井住友銀行)入行。1999年4月、ブレーンヒューマニティー設立のため、同行退職。現在、同会顧問、CFC理事のほか尼崎市参与、尼崎市学びと育ち研究所副所長、兵庫県立大学客員教授、関西学院大学非常勤講師などを務める。

「マンスリーサポーター100人募集キャンペーン」にご協力お願いします!

活動開始から10年目となったCFCでは、まだ支援を届けられていない子どもたちに「スタディクーポン」を届けるため、「マンスリーサポーター100名募集キャンペーン」を実施しています。ぜひ、子どもたちを支える仲間になっていただけると嬉しいです。

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