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東日本大震災から5年、子どもたちのいま

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先月から、CFCが支援している子どもたちも新学期を迎え、新生活をいきいきと過ごしています。子どもたちの努力が実り、彼、彼女らが次のステージに進んでいく様子を見られるのは非常に嬉しいことです。しかしその一方、いまだに前に進むことができず、苦しい状況下に置かれている子どもたちも数多く存在します。

◆子どもたちの問題の個別化・複雑化

私が特に気になっているのは「家族関係の崩壊」と「住環境の問題」です。言うまでもなく、子どもが健やかに成長していくためには、家族の存在が非常に重要です。しかし、東北の現場にいると家族の関係が悪化し、子どもがその中で苦しんでいる状況を見聞きします。その中には、例えば以下のようなケースがあります。

3世代で住んでいた家を津波が襲って、長女とその母親が亡くなった。
しばらくは祖父母、父、次女で生活をしており、元の場所に家を建てられるようになったが、祖母はもう戻りたくないと言う。祖父は自分の故郷に帰りたいと思うが、老妻を無理に連れて帰るわけにはいかない。そうこうするうちに父は再婚し、祖父母のもとに取り残された次女は、自分の将来を描けないでいる。

こういったケースはなかなかメディア等でも伝えられず、私たちとしても今すぐにどのような協力が出来るかは答えが出せません。しかし、自分にはどうしようもない状況の中で苦しんでいる子どもがいるのは確かです。

◆家族と「住宅」の問題

また、家族関係の悪化には住宅の問題も大きく影響します。阪神・淡路大震災では震災後5年時点で仮設住宅が撤去されたのに対し、東北の被災3県では、6万人近くの方々が仮設住宅で生活しています。

今も仮設住宅に住む、あるクーポン利用者の親御さんは「震災当時は小さかった息子も、今は体も大きく、難しい年頃。勉強部屋もないし、息子とは適度な距離感も必要な時期だが、仮設では不可能。」とおっしゃっていました。

国が整備を進めている災害公営住宅に関しても入居者からは、再建した持ち家や一般の賃貸物件の入居者と比べて、生活復興感(「生活の充実度」「生活の満足度」などに関する計15項目を5段階で評定)が低く出ており、問題の長期化はますます懸念されます。

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◆復興の6年目へ

ハード面の整備の遅れが、家族関係や子どもの生活に影響を与えている現状が見える中、少し嬉しいお話を聞くことが出来ました。前述の親御さんとの話の最後に「子どもとCFCの大学生ボランティアとの面談はとてもありがたいです。親には言いづらいことも、年の近いお兄さんには相談できているようで。助かっている。」と言葉をかけていただきました。

ハード面、ソフト面の更なる拡充が求められる6年目、我々はこれからも目の前の子どもに寄り添い続けていこうと思います。(鈴木 平/シニアマネージャー)

【被災地の子どもの貧困の現状についてもっと知りたいあなたへ】

CFCは2011年の東日本大震災発生後から、東北で子どもたちの教育支援活動をしています。

被災地の教育格差の現状や、CFCの活動をより詳しく知りたい方は、ぜひ【活動説明会】にご参加ください。

CFC活動説明会詳細

・参考: 河北新報 「<震災5年>災害公営住宅の満足度低く」