熊本地震に思うこと(代表メッセージ)
熊本地震の発生に伴い、CFCでは被災した子どもたちの緊急支援として、主に今年度受験を迎える子どもたちが安心して進学に向けた学習等に励むことができるよう、「学校外教育バウチャー」を提供することを決めました(次年度以降については復興の状況等を踏まえて支援継続の必要性を検討する予定です)。
寄付金の募集と並行して、来週早々から子どもたちに支援制度の案内ができるよう、現地の教育委員会や教育事業者の皆様にもご協力いただきながら、急ピッチで準備を進めています。
ここまで、熊本地震・緊急支援の準備をスピード感を持って進めてきましたが、私自身決して迷いがなかったわけではありません。
◆熊本地震直後に感じたこと
熊本地震発生直後、たくさんの住家が倒壊した被災地の映像に釘づけになりながら、色々なことを考えていました。
東日本大震災の経験から、今回の熊本で起きた地震の被害状況を見る限り、被災を受けた学校が再開され、子どもたちが日常を取り戻したその先には、経済的な困難によって子どもたちが安心して通塾や習い事を続けることが難しくなるということが明らかでした。
そんな中、「これまでの東北での経験を生かして、CFCとして被災者の方々のために動くべきではないか?」と考える一方で、今のCFCは東北と関西での支援活動で手いっぱいな状況にあり、「果たして熊本地震の被災地に対して対応することは、現実的に可能なのか?」と、非常に悩みました。
◆CFCが動くことに決めた理由
そんな中でも、私たちが動くことに決めたのは、「自分たちにしかできない支援がある」という確信があったからです。
今、熊本では、被災した学習塾の方々が、無料で子どもたちの学習指導をしたり、月謝の減免を行う等して、子どもたちの緊急的な支援を行っています。東日本大震災発生直後もそうでしたが、ご自身も被災をされて大変な状況の中で、地域の子どもたちを支える教育事業者の皆様には本当に頭が下がる思いです。
しかしながら、本来的には受益者から対価を得て教育サービスを行う教育事業者の方々にとって、無料もしくは割引価格での学習指導を長期間継続することは、体力的にもかなり厳しいと思われます。
そんな中、CFCの「学校外教育バウチャー」による支援であれば、被災をして経済的な困難に陥った子どもたちの教育機会を保障するだけでなく、バウチャー利用先の教育事業者も収入を得ることができるため、被災した子どもたちと教育事業者の自立を同時に支えることができる非常に有効なモデルです。
ここで動くことは、CFCの社会的な責任であり、使命でもあると感じています。日頃からCFCを支えてくださる皆様におかれましては、是非ご一緒に熊本地震で被災した子どもたちを支えていただけると幸いです。
一方、CFCとしては熊本での支援を展開することによって、東北や関西での活動の手を絶対に緩めてしまうことがあってはならないと思っています。
特に東日本大震災被災地では、今年もバウチャー利用者の募集を行っていますが、おそらく過去最多となる勢いで、子ども・保護者からの資料請求が殺到しています。
既に日本では、一言で「被災地」といっても、どの被災地を指しているかがわからないほど、全国各地で様々な災害が起こっていますが、被害の甚大さ・深刻さから考えると、東北の子どもたちの支援は今後も継続し、更に充実させていかなければならないと考えています。
引き続き、CFCの活動を見守っていただくとともに、温かいご支援をお願いいたします。