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ひとり親と貧困-「はじめての夏期講習」(高2・女子)

はじめての夏期講習(高校2年生女子)

私は今まで、学習塾に週1回のみ通わせてもらっていました。それでも家庭の経済的な事情はわかっていたので、勉強できる機会をもらえて両親にはとても感謝していました。しかし、大学受験や自分の目標とする道に進むにはもっと勉強をして知識を身に付ける必要があることも感じていましたし、本当はもっと勉強したい、周りの子のように塾の夏休みの集中講座も受けたいという思いはありました。
おかげ様で、今年高校2年生になってCFCクーポンをもらえるようになってはじめて、夏期講習に通うことができます。1日1日、クーポンを使って学べることに感謝しながら、はじめての夏期講習を一生懸命受講して、自分の夢や目標に近づいていきたいと思います。

◆父親の死が生活の変化のきっかけに

上記の女の子は、小さい頃は習い事にも通っていたらしく、特に体験や学びの機会が制限されていたという印象はなかったそうです。しかし、父親が病気になって以降、様々な環境が一変し、その後は家庭の事情を考えて、学校外教育を体験したい、学びたいという要望を親御さんにしなかったと言います。CFCクーポンを利用し、彼女としては初めて夏の期間に特別講習を受けることができ、勉強に打ち込むことができているようです。

病気で父親を亡くした彼女の家庭はひとり親家庭です。働いていた母親もダブルワーク等で体調を崩し、それを期に止むに止まれず生活保護受給を開始したと言います。僕はCFCの活動を始めて、このような状況にある家庭に幾度となく出会ってきましたが、その状況をうかがう度に日本の制度や仕組みはセーフティーネットとして機能していないということを感じます。

◆ひとり親の半数以上が貧困

実際に、日本にはこのようなひとり親になることをきっかけに、貧困状態に陥る家庭が数多く存在しています。厚生労働省の調査では、ひとり親世帯の貧困率は50.8%となっており、実にひとり親世帯の半分が相対的貧困の状態にあります。

また、就労しているひとり親世帯の貧困率は55%で、これはOECD平均の3倍近い数字となっており、OECD30ヶ国中ワースト1です。つまり、他国では比較的、職を得て働くことが貧困状態を脱する手段となっているが、日本においては働いているけれども貧困状態である場合が多いという特殊な状況があります。

教育支援とは少し角度は異なりますが、このような貧困問題の背景にあるものに対して、今後も状況を把握しつつ、また解決のために他の支援機関等と連携していきたいと思います。(代表理事・奥野慧)

参考:平成25年7月8日,厚生労働省「ひとり親家庭の支援について

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