CFCが大切にしていること
昨年は多くの皆さまより温かいご支援・ご協力をいただき、本当にありがとうございました。2017年も、引き続き活動に取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。今回は、「2017年の抱負」というよりも、改めて今年も大切にしたいことを見つめなおし、皆さまとも共有させていただきたいと思います。
◆「子どもにとってベストか?」を問い直す
私たちの仕事の多くは「制度作り」です。
例えば、
・提供するバウチャーの金額はいくらにするのか?
・どのような塾や習い事で利用できるようにするのか?
・限られた寄付金(バウチャー)を誰に提供するのか?
・どのような方法で子どもや保護者にバウチャーの案内をするのか?
など、数えたらきりがありませんが、毎年多くの制度を作ります。約7年活動を継続すると、それだけ多くの経験が蓄積され、効率的に判断できることも増えてきました。一方で、社会や子どもたちが置かれる状況は常に変化しており、「この判断は子どもにとってベストなのか?」ということを、常に新しい気持ちで問い直し続けることが大切です。
それらを、「過去」と「未来」の両面から問い直したいと思います。
「過去」とは、つまり、これまでに行ってきたことが本当に子どもたちにとって意味があったのか?を振り返ることです。そこで、CFCでは、子どもの学習や体験機会、人との出会いの機会の変化、学力や非認知スキル、その後の進学や就労に及ぼした影響など、専門家とともに活動の成果を評価する取り組みを始めています。
もう一つは「未来」の予測です。例えば2020年に行われる大学入試改革をはじめた日本の教育制度の変化、人口知能やVRなどのテクノロジーの進化とそれらの教育サービスへの影響、人口構造の変化(少子高齢化)、産業構造や企業の採用システムの変化など、次の10年で日本の社会や子どもたちを取り巻く環境は大きく変化します。これらの変化を踏まえて、今本当に必要なサポートができているのか?が問われます。
◆子どもと「対等な立場」で取り組む
もう一つは、子どもと対等な立場で取り組むことを改めて大切にしたいと思います。
近年、「子どもの貧困」という社会課題が多くのメディアで取り上げられるようになりました。そのため、活動をはじめた当初とは比べ物にならないほど多くの方々に子どもたちが抱える課題を認知していただいているように思います。一方で、その反面、報道を見て「かわいそうな子どもたち」という捉え方が広がってしまっているように思います。
私は、この活動に取り組む基本的なスタンスとして、「かわいそうな子ども」という上からの目線ではなく、「将来の日本をともに支える存在」として、対等な立場で取り組むことをこれからも大切にし続けたいと思っています。
この7年間で、バウチャーを利用して、力強く前に進んでいく子どもたちや、そのご家族の方々に出会うたびに、その思いを強くします。
また、そのような子どもたちから、私たちCFCのメンバーも励まされ、力をもらっている部分が非常に大きいと思います。きっと、子どもたちの頑張りはそのご家族や、ボランティアの方々、寄付者の方々にも何かしらの力を与えてくれているのではないかと思います。
支援者と受益者という上下の関係ではなく、みんなで支えあう関係性を目指して、2017年も全力で取り組んでいきたいと思います。引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。(代表理事/今井悠介)