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震災7年目の新たな課題ー転居と地域コミュニティの変化

2月は、CFCにとって大切な時期です。来年度の事業計画、予算決定が理事会で行われ、仙台事務局では子どもたちの継続審査が実施されます。現在、事務局には住民票や所得証明書が同封された「継続エントリーシート」が毎日届いています。

絶対に間違えることのできない非常に重要な審査のため、職員が慎重にダブルチェック、トリプルチェックを行い、日々書類とPCのにらめっこが続いています。まだ審査の途中ですが、特に今年の傾向として転居が多いことが見て取れます。

◆転居と地域コミュニティの変化

宮城県では、応急仮設住宅の供与期間が終了する地域が増えており、来月の震災6年で仙台市、亘理町、七ヶ浜町は終了。塩竈市、気仙沼市、東松島市、南三陸町も工期の関係で公営住宅等への移動が困難な方を除いて供与が終了となります。また、石巻市、名取市、女川町は一律で7年目の供与が決まっているものの、徐々に仮設住宅から災害公営住宅等への移動が始まり、CFCクーポン利用者の転居も増えている背景があります。

震災当初、被災地では避難所から仮設住宅への移動のタイミングがありました。特にこの時言われたのが、住民移動による地域コミュニティの変化や子どもたちの転校、それに伴う孤立や不登校等の増加でした。そして、昨年頃から再度住民の移動が起こっている被災地では、同様の問題が発生するリスクが多分にあります。また、転居や住宅確保には費用も掛かり、経済的な問題も発生します。震災6年を前にしてもなお、まだまだ厳しい状況が続いていると言えます。

◆「震災前のような生活には程遠い」被災家庭の声

今回の継続エントリーシートにも以下のようなお手紙が同封されていました。

震災前に自宅に隣接する工場にて自動車整備業を自営していましたが、自宅同様、津波によって工場も流失し、家庭と職場を失いました。自宅はローンを組みすぐに新築しましたが、工場を再建するには至らず、昨年新たに土地を購入してようやく仕事を再開することができました。しかし、現在はローンがあり、仕事も減り、震災前のような生活の安定には程遠い状況です。

実際、我々の仕事はこのような書類見て審査をする、間接的な作業でしかありません。しかし、それをただの作業とせず、書類の向こう側の子どもたちの生活を想像する気持ちをもって、一人ひとりの来年度の活動につなげていきたいと思います。(代表理事/奥野慧)

【参考】宮城県WEBサイト「応急仮設住宅の供与期間の延長について

【東日本大震災で被災した子どもたちを支えるために、今あなたにできること】

東日本大震災から6年が経った今も、被災した子どもたちは不安な日々を過ごしています。これからの復興を担う子どもたちが夢に向かって学ぶチャンスを得られるよう、あなたの力を貸してください。