「浦霞」醸造元の株式会社佐浦さまからご支援いただいています!
日本酒「浦霞」醸造元の株式会社佐浦さまは、2015年度から継続的にCFCをご支援くださっています。東日本大震災では、宮城県塩竃市の本社蔵や、東松島市内にある矢本蔵が一部損壊するなど、大きな被害を受けられました。しかし、こうして自社もが被災されたなかで、CFCへのご支援をはじめ、様々な分野で復興支援活動に力を入れて取り組んでいらっしゃいます。
◆「地域の復興なしには自社の真の復興はない」
復興支援に力を入れていらっしゃる背景には、「地域の復興なしには自社の真の復興はない」という佐浦さまの理念があります。
お酒は地域の産業と関係が深く、例えば米がなければお酒は作れないし、魚があるからこそお客さまは店に来てくれる。このため、自社のみの復旧を考えるのではなく、地域産業の復興、特に食文化に関わる復興に寄与することが、自社の復興にもつながると考えて、活動に取り組んでいらっしゃるそうです。
また、震災当初はハード面を中心に支援されていたそうですが、それが一区切りつき、次は教育ニーズだと感じ、2015年度からCFCを支援することに決められたそうです。
佐浦社長は、「酒造りも地域づくりも人に支えられている。一次産業が主であるこの地域では、人を育てること(次世代を育成すること)が、真の復興を考えるうえで重要だと思っている。」と力強くおっしゃっていました。
◆復興支援を通じて生まれた酒造りへの効果
佐浦さまによる復興支援活動では、地域でのニーズ調査をして、制度で支えられなかったり、支援の手が届きにくい「狭間のニーズ」に対してアプローチしていらっしゃいます。ニーズ調査では、社員の方々が住民の方から直接話を聞いて、声を集めていらっしゃいますが、震災後6年に渡る取組みの結果、最近は住民や役所の担当者が気軽に困りごとを話してくれるようになったそうです。
さらには、こうした「地域ニーズを聞く」ということを通じて、社員の方の間でも「社会的な視点をもってお客さまの声に耳を傾ける力」が強まっているとのことで、酒造りにもいい影響がでているとのことでした。
◆創業290年の会社を引き継いだ佐浦社長の地域復興への想い
先月で東日本大震災から6年となりました。これからの東北の復興について、佐浦社長の想いを聞いてみました。
「佐浦は、享保九年(1724年)に創業し、約290年続いてきた。私の先人たちは幾多の試練を乗り越えて、私に酒造りを引き継いできてくれた。そこには大災害もあったし、戦争もあった。その試練を乗り越えたからこそ今があるのだから、私も後生に胸を張れる生き方をしなければいけない。震災から20年30年・・・100年経ち、あの危機に対して何をしてきたのかを後生に残すことが使命だと思っている。」
確固たる信念をもっていらっしゃる佐浦社長の言葉には、幾多の試練を乗り越え、伝統を受け継ぎ、地域の方々と共に時を過ごしてきた老舗の品格を感じました。
こうして、地域のニーズを深く把握し、熱誠をもって復興支援に取り組んでいらっしゃる佐浦さまにご支援をいただいていること、大変ありがたく感じております。このような想いに応えられるよう、CFCスタッフ一同、引き続き東北の子どもたちのサポートに全力を尽くしてまいります。