「今度は私が誰かのために役に立つ番」大学生ボランティアと3.11
みなさんこんにちは!CFCブラザー・シスターの宮城教育大学2年 西村春香です。仙台でも春らしい気候の日が増えてきました。
今月の3月11日で、東日本大震災から6年の月日が経ちました。災害が起きた直後は、テレビや新聞で被災地の情報を目にする機会も多くなりますが、残念ながら月日が経つとともに意識は薄れてしまいがちです。
しかし、震災から学んだ教訓を活かし、同じ悲劇を決して繰り返すことのないように、日頃から備えていく必要があります。そして、自分のできる範囲でも被災地の復興活動を続けることが必要です。そう思うきっかけとなったのは、私自身の被災経験と活動の中での気づきがもとになっています。
◆『今度は私が誰かのために役に立つ番だ』
震災当時、南三陸に住んでいた私は、津波で自宅を流されました。内陸にある親戚の家で避難生活をし、中学校も転校しました。突然の出来事に、震災が起きて自宅が流されたことも、しばらくは「夢の話ではないか」と実感がわかず、心がふわふわ浮いているような状態でした。そんな中、景色のまったく異なる土地に、人に、生活に慣れなければならないということに、心が少しばかり苦しくなることもありました。
その中で強く感じたのは、「支えてくれる方の存在がいかに大切であるか」ということです。困っている人がいるのは分かるが、なかなか行動に移せないという人も多い中、支援をしてくれた人がいるということに私自身も励まされました。
こうして私自身、多くの人の支援を受けて生活していたことから、『今度は私が誰かのために役に立つ番だ』という意識が強くあり、CFCの活動や、復興支援のボランティアを始めました。
◆震災を過去ではなく、「次の世代へ伝える教訓」にする
復興支援のボランティア活動の中で、語り部さんの話を聞くことがありました。そこでは過去にあった震災の教えが合ったにもかかわらず、その教えが活かされていなかったということを知りました。また、防災関連の研修を受けたとき、避難所運営はとても複雑で大変だが、一人一人が備えていれば、助け合いもでき、避難所での問題も少なくなることが分かり、日頃からの備えがいかに大切なのかを学びました。
災害は、いつどこで起きてもおかしくないものです。実際この6年の間で、熊本や広島などで大きな災害が起き、その度に心を痛め、「日々の備えの大切さ」を痛感させられました。災害に日頃から備えるためには、より多くの人が震災の記憶を一時的なものに終わらせず、次の世代に伝えられる教訓にしていく必要があると感じています。
◆自分でもできる「行動」を
最後に、この記事を読んでくださっている方にも、自分でできる範囲の「行動」を起こし、震災を忘れないように、周りや次の世代に伝えていっていただけると嬉しいです。
一人ひとりができることは小さなことかもしれません。私も実際にCFCやほかの場所で復興支援活動を続ける中で、「本当に自分は役に立っているのだろうか」という不安がありました。
ですが、ある時、復興支援のボランティア先の方から「ボランティアをしようという気持ちや実際に被災地に来てくれることだけで地域の人は嬉しい」ということを聞いてほっとしました。
今後も、私には何ができるのか、そして被災地の方や地域の方が必要としていることは何かを常に考え、CFCの活動に一生懸命取り組んでいきたいです。そしてそれ以外でも、震災での経験を後世に伝えられるよう、被災地でのボランティア活動に積極的に取り組み、その中で学んだことを活かし、次の世代につなげられるようにしていきたいと思っています。