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ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツの河野雅明社長にお話を伺いました!~東北の被災地支援を続ける理由~

(画像)CFC代表の今井から河野社長に感謝状をお贈りしました。

本日で、東日本大震災から6年半が経ちました。CFCには今も多くの被災家庭から支援を求める声が寄せられていますが、震災から時間が経つにつれて、東北・被災地への社会の関心は薄れつつあります。

そんな中、ロイヤルパークホテルさま、横浜ロイヤルパークホテルさま、ロイヤルパークホテル ザ 汐留さま、仙台ロイヤルパークホテルさまは、4ホテル合同でCFCの東北や熊本のプロジェクトを継続的にご支援くださっています。

今回、こちらの4ホテルを経営されている株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツの河野雅明社長に、継続的な支援に込められた想いを伺いました。

今井:震災から6年以上が経ちました。CFCでは、今も多くの被災家庭から支援を求める声がたくさん寄せられているのですが、その一方で、我々の力不足もあり、残念ながら東北支援をやめてしまう企業さんも出てきてしまっています。こういった状況の中でご支援いただいていること、本当にありがたく思っています。

御社の場合は、仙台ロイヤルパークホテルさんも被災をされて大変な状況だったと思うのですが、今も東北の子どもたちをご支援いただいている背景には、どのような想いがあるのでしょうか。

河野社長:震災直後の被災地支援は「復旧」が中心となりますので、支援金の使い道は我々ではなくパブリックセクター(公的機関)に任せるのが一番いいと思います。

しかし、もう6年が経ち、現在は「復興」のステージです。パブリックセクターに任せるのではなく、今度は、私たち自身が主体的に東北を支援したいという想いがありました。それで、我々は東北の復興のためにホテルとして何ができるかということを考えました。

そこで、ホテルのレストランで、「東北味紀行」という東北の農産物や魚介を使ってお料理を提供するプログラムの企画を始め、同時に、料理の売上の一部をCFCに寄付することにしました。

このような形をとることで、お客様にも東北を支援しようというメッセージを訴えられるし、東北の農作物購入を通じての支援にくわえ、東北の子どもたちのこともプラスで応援できると思ったのです。

今井:子どもたちの教育支援だけをやっても、地域の産業が復興しないと結局子どもたちが大人になったときに仕事がないということになってしまうので、我々も地域の産業と子どもたちの両面をサポートすることが大切だと思っています。「東北味紀行」はまさしくそういった支援の形ですね。

こちらの企画に参加されたお客さんからの反響はいかがですか。

河野社長:今回の企画は、食事をされたお客様に加えて、企画に関わった社員もが東日本大震災のことを改めて考えるきっかけになりました。特に、津波の被害を追悼するというネガティブな形ではなく、復興を応援するという前向きな形で、震災のことを再認識してもらうことができたのは、良い形での記憶の継承になったと思います。

今井:私も2回ほど横浜ロイヤルパークホテルさんにご招待いただいて、「東北味紀行」の試食をさせていただいたのですが、毎年3月の時期にこういった形で東北を思い出していただくというのは、改めてすごく良い企画だと思いました。

河野社長:その一方で、いつまでやるのかという話も当然あります。難しいですよね。自然災害が熊本であったり、大分であったり、この間は秋田であったり。いつまで東北にかかわるのかといった声もなくはないです。そのあたりの線引きがとても難しいなとは感じています。

ですが、ステークホルダーの方たちに改めて考えてもらう、メッセージを伝えるというのも企画の重要な部分ですので、多少難しい部分もあるんですが、実施を続けています。

今井:色々な葛藤を抱えながらも、支援を継続していただいているんですね。ありがとうございます。社内ではどのような反響や変化がありましたか?

河野社長今回の「東北味紀行」を通じて、各ホテルがエリアの壁を越え、グループの一体感が生まれたことも大きな変化です。ホテルが所在している地域の事情や歴史等に合わせて、それぞれのホテルが企画を実施してきたのですが、「東北味紀行」のようにホテル間で統一された企画を行ったのは初めてのことなんです。

今井:東北の復興という目標に向かって、グループの皆さんが一つになってくださったんですね。震災後、なかなか復興が進まないご家庭は今、復興の格差に直面されています。そういった方を支えていくには、やはり10年、20年というスパンで考えていなかなければならないので、記憶の継承という意味でも御社のご支援は本当に心強いです。

河野社長:私たちも東北にホテルを構えていますが、東北の復興はまだ道半ばだと実感しています。弊社の仙台ロイヤルパークホテルは、震災で塔屋が崩れたり、貯水槽が破損したりといった被害をうけました。現在、ホテルの修理は完了しましたが、今も外国からのお客様の割合が他地域のホテルに比べて著しく低い状況です。この背景には、まだ東北の風評被害が続いているということがあると思っています。東北に対して明るいイメージを作っていくことがこれからの課題です。

今井:実際に東北でホテルを経営されている方ならではの実感ですね。

CFCでは毎年3月11日に仙台と東京で街頭募金活動をしているのですが、仙台ですと、毎年募金額は増えていて、今年だと60万円くらいになりました。しかし一方で、東京ですと、2年前10万円以上集まったのが、今年だと5万円程度まで減ってしまいました。私たちも東北以外で関心が弱まってきていることを肌で感じています。河野社長のおっしゃることには、すごく共感します。

最後に、チャンス・フォー・チルドレンの活動を見ていただいて、もし活動内容に共感する部分などがあれば、ぜひ批判や疑問も含めて、率直に教えていただけると今後の事業の参考になるのですが・・・。

河野社長:チャンス・フォー・チルドレンの活動は、フォーカスしている課題が明確で、かつ寄付がどのような形で子どもたちに届いたかが分かる仕組みが非常に良い点だと思いますし、我々からしても参画しやすい仕組みだと思います。震災当時、寄付金が何百億円と集まったけれど、一体何に使われたか全くわからないということもありましたよね。

あと個人的には、教育支援というものは、緊急支援と異なり、長く継続することが必要だと考えています。こういう支援事業というのをいつまでも長くダラダラやるのも良くないと思いますが、教育や子どもの分野は長い目で見たほうがいいなと思いますね。

今井:ありがとうございます。子どもたちを取り巻く課題は多岐にわたるので、様々な事業に取り組みたくなりますが、その一方で、ひとつの事業をしっかり継続するということも大事だと考えて、活動を続けています。我々は、震災を経験した子どもたちが社会に巣立っていくまで、東北での支援を続けたいという気持ちを持っています。

本日はお忙しいところ、お話をお聞かせいただいてありがとうございました。今後とも、東北の子どもたちを長い目で見守っていただけますと大変幸いです。

河野社長:そうですね、これからも応援していきます。

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