退職のご挨拶(仙台事務局 鈴木平)
この度、CFCの仙台事務局で活躍してきた鈴木平が、新たな挑戦に向けて、退職することになりました。
これまで支えてくださった皆さまに、鈴木よりご挨拶させていただきます。
◆退職のご挨拶(鈴木平)
この度、3月末日をもってCFCを退職することになりました。皆さまには、これまで多大なご支援をいただきましたことに心よりお礼申し上げます。
4年間はあっという間で、生活のほとんどを占めていたCFCから離れる実感は、正直今もあまりありませんが、これまでの感謝の想いをご挨拶とさせていただきます。
初めて仙台に降り立ったのは、2014年度末のクーポン贈呈式でした。
恥ずかしながら、当時は『被災地の子=かわいそう』というイメージを持っていました。ただ、式典の中で聞いたある女の子の言葉はとても力強く、人への思いやりや感謝に溢れていました。
「どうして、この年でこんなことを考えられるんだろう、本当にすごい。」
湧きあがったのは、彼女に対するシンプルな尊敬の思いでした。そして、この思いは年々強くなっていきました。彼女たちが抱えている生きづらさや問題の大きさを、自分の目で知ることになったからです。
「なんでこの状況の中でも頑張れるんだ...」
恐らく2015年あたりから、より困難な状況に置かれている子どもが増えたような印象があります。表現に語弊があるかもしれませんが、震災直後はみんなが被災している状況でした。
ただ、時間の経過とともに、もともとの生活基盤が整っていた人たちと、そうではない人たちとの間で明確な差が出来ていきました。
個々のケースの中には、「もし自分だったら、とても耐えられないだろう」と思わず考えてしまうような状況にもたくさん出会いました。ただ、それでもCFCが関わっているお子さんたちの多くは、僕が最初に出会った女の子と同じように前向きで力強く、優しい子ばかりでした。
そんな子どもたちの為にどれだけ役に立てたのか...、もしあの時こうじゃなかったら...
悩みや葛藤ばかりの日々ですがそれでも、バテることなく子どもたちを支えてこれたのはブラザー・シスター(大学生ボランティア)の存在に他ありません。
ブラザー・シスターの価値や素晴らしさをもっと引き出せれば、もっと多くの人に知っていただきたかった。もしかしたらこれが僕の一番の後悔かもしれません。
子どもたちと同じように、ブラザー・シスターの多くは被災経験やなんらかの生きづらさを持ちつつ活動をしています。
学問の傍ら、バイトをしながらも「自分と同じような思いをしてほしくない」「震災の後、何もできなかった自分が許せない」様々な思いを持って子どもたちに寄り添い続けるブラシスは本当にCFCや東北の宝です。
地域に子どもたちを支える若者がいて、だけど、その若者自身も誰かに支えられていて。誰かに支えられた子が今度はまた別の誰かを。そうやって共助の連鎖が拡がっていく。
制度や事業の充実と同時に地域で人が育ち、人が地域をつくっていく。僕個人の願いでもありますが、そんな社会を実現できるよう、支援者の皆さま、教育事業者の皆さまには、引き続きお力添えをいただければと思いますので、今後とも、CFCをよろしくお願いいたします。
最後に私事ではございますが、4月からは石巻の子どもたちを支える特定非営利活動法人TEDICの常務理事として活動する傍ら、宮城大学大学院 事業構想学研究科でボランティアやマネジメントをキーワードとした研究をしていきます。
また、これまで通り、子ども向けの体験活動の提供や子ども支援分野の人材育成も続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。