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アメリカでの子育て経験で感じた、地域の大人が子どもたちに関わる意味

こんにちは、10月に入職した東京事務局の五十嵐です。もともとは共通の知人を通じて、代表の今井と知り合ったのがきっかけで、CFCの活動について知る機会を得、事業の内容に深い感銘を受けました。

私は子どもが2人おりますので、親の立場から申し上げますと、子育ては、境遇さえ違えど、どの親にとっても決して簡単なものではなく、子どもの成長とともに、日々新たな課題にチャレンジしている状態だと思います。

■インクルーシブな社会を作るのは、いうほど簡単ではない

私の場合は米国生活が長く、主にニュージャージー州のプリンストンとニューヨーク州のマンハッタンで子育てをし、子どもたちは自分のことを完全にアメリカ人だと思っている節がありますが、それでもあちらでは人種的にマイノリティーとしてハンディがありました。

プリンストンは、白人が多く、ダイバーシティーが少ないため、異文化に無理解な部分もあり、子どもが学校に日本風のお弁当を持っていくと、同級生に「匂いが変」と馬鹿にされ、家で泣いたことがありました。

また、マンハッタンではいじめっ子にジャパニーズ・モンク(良くない意味で「日本人の坊主」)と言われて、喧嘩して帰ってきたことも何度かありました。

その都度、子どもたちを励まし、学校に抗議し、話し合いましたが、私の英語力不足もあり、相手側のファミリーの価値観をすぐに変えることは難しく、改善しない状況をもどかしく思いました。違いを認め、インクルーシブな社会を作るというのは、いうほど簡単ではなく、お互いの歩み寄りが必要不可欠です。

■地域の大人が子どもたちに関わる意味

それでも何とかやってこられたのは、地元の友人や同僚、先輩の励ましがあったからこそです。

中でも子どもたちが週末に通っていた日本語学校は、ドイツのシュタイナー教育を実践する先生たちが、「おばあちゃんの家を訪ねた時のような安心できる空間」を目指して立ち上げた学校で、小学生は国語、算数に加えて、手芸、ユーリズミー(踊り)、習字、空手など、五感を使って日本語を学ぶ事ができ、日本が大好きになるような教育を行っていました。

私が仕事の時間を増やして、パートタイムからフルタイムに切り替えた時期、息子が精神的に不安定になっていたのを見抜いたのも、その学校の先生でした。

先生たちは、一緒にいる時間が減ったのは仕方がないけれど、一緒にいる間は密度の濃い時間を過ごすようアドバイスしてくださり、クラスで乱暴にふるまっている息子に一杯の愛情をもって接してくださいました。その時に、子どもの教育は、子どもが直接つながっている親以外の存在が、重要な役割を果たす事を実感しました。

CFCの活動でも同様に、地域で教育活動を行う事業者さんや、苦しい時に寄り添ってくれるCFCのブラザー・シスター(大学生ボランティア)の存在は、言葉では言い表せないほど、子どもたちにとって貴重なのではと想像しています。

クーポンを利用した子どもたちが大人になったとき、子どものころに培った大人との関わりが励みになれば…それは一生の財産になると思います。

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