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2020年、事業を終わらせるための「拡充」に向かう年

昨年末、放送大学宮城学習センターの授業にお招きいただき、講演をする機会がありました。同大学での講演は今回で3年目になりますが、社会人が多い大学ということもあり、毎年鋭い質問をいただきます。

今回も「公教育と学校外教育の役割についてどう考えているか?」、「教育の財源は何であるべきだと思うか?」など、事業内容を超えた質問があり、難しくも学びの多い時間となりました。

その中で、少しドキッとした質問が、「いつまでこの事業を続けるのか?」という問いでした。

◎NPOは「課題を解決すること=仕事がなくなること」を目指す組織

私が大学生の頃、初めて深く関わった大人がNPOの経営者や職員でした。その先輩方は、事業計画や予算策定、チームマネジメント等の知識やスキルだけでなく、NPOは「課題を解決すること=仕事がなくなること」を目指す組織だと教えてくれました。

当時の私は、その意味を深く理解できていなかったと思いますが、自分もNPO経営者の端くれとなった今、その言葉の意味や重さを噛みしめるようになってきています。

それゆえ、講演の中でいただいた質問は本質的で、我々が考えていかなければならないことを問われたと感じました。

◎「拡充」は、事業を終わらせることに向かう行動そのもの

CFCは昨年、スタディクーポン事業を全国の自治体に拡充するため、ベンチャーフィランソロピーから新たな支援を受けることにしました。昨年は、その資金や経営支援を活用しながら、体制整備や他地域展開のための準備に注力しました。

そして今年は、いくつかの自治体で新たに事業が始まることが予定されており、団体として次のフェーズに進む年になると考えています。

“拡充”という言葉は、一見すると“仕事がなくなること”とは反する言葉のように感じられます。しかし、CFCは発足した当初から事業を制度化すること、つまり子どもの教育費が公費でまかなわれる社会をつくることを目指して活動してきました。

よって、拡充はこの事業を終わらせることに向かう行動そのものだと考えています。

2020年は、CFCプロジェクトの発足から11年目、法人設立から9年目の年になります。これまでつくってきた事業をより多くの子どもたちに届けていくため、しっかりとゴールを定めつつも一歩一歩前進していきたいと思います。

そして、来年のこの時期に、1年の成果とゴールまでの進捗を皆さんにも共有できるようにしたいと考えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。(代表理事/奥野慧)

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