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那覇市が沖縄県で初めてスタディクーポンの仕組みを導入しました!

こんにちは、関西事務局の有銘です。
このたび、那覇市が沖縄県で初めてスタディクーポンの仕組みを導入し、子どもの教育格差解消に向けた「那覇市まなびクーポン」がモデル事業として開始されました。

私は沖縄県那覇市で生まれ育ちました。
過去のコラムでも触れていますが、沖縄県では子どもの貧困率が全国平均を大きく上回っています。

「子どもたちの学ぶ権利を保障」する社会づくりに向けて、「スタディクーポン」の仕組みを故郷の沖縄でも広めたいという思いから、2015年にCFCへ入職しました。
ついに「那覇市まなびクーポン」として実現がなされ、心からうれしく思っています。

◆沖縄県の経済状況による教育格差の現状

2018年に行われた、小中学生の子ども・保護者を対象とした家庭環境等に関する調査では、次の傾向が明らかになっています。

経済的な理由による経験として

・「習い事に通わすことができなかった」をあげた保護者は、非困窮世帯が11.9%であることに対し、困窮世帯は34.2%

・「学習塾に通わすことができなかった」をあげた保護者は、非困窮世帯が9.9%であることに対し、困窮世帯は29.2%

本調査から、経済状況による教育機会の格差が生じていることが分かります。


【参考文献】沖縄県子ども生活福祉部(2019)「平成30年度沖縄県小中学生調査報告書概要

◆「那覇市まなびクーポン」への思い

城間幹子那覇市長は、記者会見の中で「本事業の実施により、生活困窮世帯の子どもたちが学びの機会を得て、学習することの楽しさを知ることにより、学力向上や心の成長につなげてほしいと願っています。」と、この事業への期待を述べていらっしゃいます。

本事業において、CFCは業務運営事業者に選定され、子どもたちのクーポン利用のサポートを始めとする運営事務局業務を担うこととなりました。

沖縄県内で市民活動の支援を行う「公益財団法人みらいファンド沖縄」の協力を得て、この事業が那覇市の地域に根差したものになるよう、積極的に取り組んでいきます。

引き続き、一人でも多くの子どもたちが学びの機会を得られるよう、各自治体や他団体等と連携しながら活動に邁進してまいります。

事業概要

内容 家庭の経済的な理由で学校外教育を受けることができない子どもに対し、クーポンを発行し学習塾代等を助成する。
目的 放課後の教育格差を解消することで、子どもの意欲及び学力向上をはかり、将来的な貧困の連鎖の解消へと導く。
対象者 那覇市内の生活保護受給世帯の小学校4~6年生。
利用先 学習塾、家庭教師、通信教育等の教育サービスで利用が可能。
実施主体 那覇市こどもみらい部こども政策課
運営事務局 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
協力事業者 公益財団法人みらいファンド沖縄

(事業の詳細)
那覇市ホームページ

(メディア掲載)
琉球新報 沖縄タイムス 

 執筆者プロフィール

有銘 佑理(公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン)

沖縄県那覇市出身。東京外国語大学卒業後、沖縄にて市民交流事業や観光業に携わる中で「子どもの貧困」に課題意識を持ち、CFCに入職。現在は、2012年に開始した大阪市との協働事業(大阪市塾代助成事業)を担当。