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全国の小学生保護者2,097人に対する「子どもの『体験格差』実態調査」結果を公表しました。

この度、「子どもの体験格差解消プロジェクト」の一環として、全国の小学生保護者2,097人を対象とした「子どもの『体験格差』実態調査」を実施しました(調査協力:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 小林庸平さん、喜多下悠貴さん/助成:みてね基金)。

12月15日(木)には文部科学省記者会で記者会見を行い、今回の調査結果を公表。記者会見当日は多くのメディアに参加いただきました。

今回の調査は、私たちがこれまでの活動で経済困窮家庭の子どもたちを支援する中で感じてきた「体験格差」の課題に焦点を当て、その実態を明らかにすることで、今後のよりよい支援制度や社会の在り方を検討するための土台作りを目的に実施しました。

詳しい内容については、調査レポートをご覧ください。

> 調査報告書を読む

以下に調査結果のダイジェストをご紹介します。

結果①

経済的に厳しい家庭の子どもの約3人に1人が、学校外の体験機会が何もない(=体験の貧困)

学校外で行う体験活動(習い事やクラブ活動、自然体験や文化的体験等)への参加状況について調べたところ、低所得世帯の子どもの約3人に1人が、1年を通じて何もしていないことがわかりました。

結果②

物価高騰により、特に経済的困難を抱える家庭で子どもの体験機会が減少している

物価高騰が子どもの学校外の体験機会にどのように影響を及ぼしているかについてお聞きしました。その結果、低所得世帯の約2人に1人が、体験機会が減少した又は減少する可能性があると回答しました。

結果③

現在の経済状況が厳しい保護者ほど自身が小学生だった頃の体験機会が少ない

保護者の方ご自身が小学生の頃に行っていた体験についてお聞きしました。その結果、現在の世帯年収が低い家庭の保護者ほど、ご自身が小学生の頃に学校外の体験活動を何もしていなかった割合が高いことがわかりました。

当事者の声

子どもがやってみたい体験をさせてあげられなかった経験について、多くの保護者の方から切実な声が挙がりました。

・「やりたいと言われても、どれも、経済的に無理なので、子供自身が、無理だよねって、何も言わなくなりました。 だんだんわかる年齢になり、子供なりに我慢しているようで、申し訳なく思っています。」

愛媛県/小学4年生保護者(40代女性)

・「母子家庭のため、周りの友達と同じように色々な習い事をさせてあげることができず悔しい。 スイミング、ダンス、英会話、ピアノ、したいことをたくさんさせてあげたかった。」

新潟県/小学2年生保護者(20代女性)

・「海水浴や旅行に行きたがっていたが、コロナ感染で仕事を休む日があったりで、休暇もとりづらく、経済的にも余裕がなかった。」

大阪府/小学4年生保護者(40代女性)

・「野球チームに入らせてあげたいがひとり親の為経済的に余裕がなく道具やユニフォームが用意してあげられなかった。」

神奈川県/小学4年生保護者(50代女性)

■まとめ

調査では、低所得家庭の子どもが、家庭の経済的理由によって、やりたい体験をあきらめざるを得ない状況が明らかになりました。特に、子どもがやりたくてもスポーツや文化芸術活動、キャンプや旅行 などの体験を「何もできない」状態は、「体験の貧困」と呼ぶ方が適切だと考えます。

さらに、昨今の急激な物価高騰により元からあった体験格差がますます広がる恐れがあることや、体験格差が親から子どもへ世代間を超えて連鎖している可能性があることも示唆されました。

報告書では、調査結果のまとめと示唆、今後の分析方針や必要な施策についても記述していますので、是非ご覧ください(P35~41)。

本調査結果は、速報値をまとめた中間報告となりますので、より詳細な分析を行ったうえで、2023年4月以降に最終報告書を公表する予定です。

また、みてね基金から助成を受けて実施している「子どもの体験格差解消プロジェクト」についても、今回の調査結果を踏まえながら、引き続き取り組んでまいります。

> 調査報告書を読む

※12月15日に実施した記者会見当日の様子を動画で公開しています。こちらもぜひご覧ください。
「子どもの『体験格差』実態調査」記者会見(外部サイト)

【調査概要】

・対象者
小学1年生~6年生の子どもがいる世帯の保護者

・調査期間
2022年10月12日~10月14日

・調査方法
インターネットアンケート調査会社のモニターを利用したWEB調査(全国調査)

・有効回答数
2,097件

・主な調査項目
- 世帯年収、家族構成、保護者学歴、保護者職業
- 学校外の体験活動や学習活動の参加状況及び年間支出
- 子どもがやってみたいと思う体験をさせてあげられなかった経験・理由
- 物価高騰が子どもの学校外の体験や学習に与えた影響
- 保護者の小学生の頃の経験(体験活動の参加状況) など

・調査体制
- 実施主体:公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
- 協力:小林庸平(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 主任研究員)、喜多下悠貴(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 副主任研究員)
- 助成:みてね基金

本件に関するお問合せ先
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
TEL:03-5809-7394(平日11~17時) E-mail:info@cfc.or.jp