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「ハロカル沖縄」トライアル事業を10/1より開始しました!

CFCでは、この度、子どもの体験格差の解消を目指し、沖縄県那覇市を中心に展開する「ハロカル沖縄」のトライアル事業を10/1より開始しました!

2023年度は、那覇市真和志地区在住の経済困窮家庭の小学生22人が利用者として決定し、スポーツや文化芸術、自然体験等の活動への参加費として利用可能な電子クーポンを提供しました。

運営に当たっては、沖縄で母子家庭のコミュニティ形成や政策提言に取り組んできた「しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄」と協力するほか、那覇市内の児童館や公民館等とも連携することにより、子どもたちの「体験」を通じた学びの後押しや地域とのつながりの醸成を目指します。

■那覇市の小学生22名に電子クーポンを提供

CFCは7/4、子どもの「体験格差」解消を目指し、全国のNPO等と協働で子どもに体験機会を届ける「子どもの体験奨学金事業『ハロカル』」の全国展開の開始に伴い、沖縄を含む4エリアで本事業を展開することを発表しました(記事)。

この度、10/1より、沖縄県那覇市真和志地区で「ハロカル沖縄」トライアル事業を開始し、経済困窮家庭の小学生22人に、スポーツや文化芸術、自然体験等の活動に利用できる体験奨学金(=電子クーポン、以下クーポン)を提供しました。

真和志地区は、那覇市内でも特に経済支援のニーズが高い家庭が多い一方※1、地域で体験活動を提供する教室やクラブの選択肢が多いことから、同地区をトライアル事業の対象エリアとしました。

クーポンは、利用先として登録されている地域のスポーツクラブや音楽教室、キャンプ等への参加費として利用できるほか、放課後に行われている部活動※2への参加費や遠征費、活動に必要な用具費としてもクーポンを利用できます。

※1 出典:那覇市「令和4年度版『那覇市の福祉』町字別被保護者の状況(令和3年8月末現在)」
※2 沖縄では、地域のスポーツクラブ等が放課後に小学校校庭や体育館、教室等を活用して行う活動を「部活動」と呼んでおり、一般的にイメージされる中学校等の教育活動の一環として行われる部活動とは異なる。

「ハロカル沖縄」事業責任者および事務局担当者からのコメント

*事業責任者 秋吉晴子(写真右・しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄 代表)

「子どものことが大好き!子どもの可能性を引き出したい!そんな思いを持つ居場所を運営する熱~い大人たちと、教室の先生や事業者さんたちが、引寄せられ、いつのまにか気付いたら、私たちと一緒に始めてしまった、それが「ハロカル沖縄」です。

今回トライアルとして真和志エリアのお子さんたちが対象となりました。真和志エリアに教室のある先生や、広域で体験イベントを提供する事業者さんも、クーポン利用先として沢山登録してくださいました。

ハロカルでは、登録していただきたい先生や事業者の方を参画パートナーとお呼びし、私たちコーディネーターは、登録前に必ず参画パートナーの方と一度面談して、しっかりお互いの思いを伝えるという作業を必須としています。

地域の子どもたちを見守りたい、可能性を伸ばしたい、優しい子どもに育ってほしい、参画パートナーの方々のたくさんの願いと思いは、居場所を運営する熱~い大人たちの思いと重なり、2乗となって、この事業を後押ししてくださっています。その思いを全身で受けながら私たちスタッフも共に子どもたちを見守り、応援していきたいと思います。」

*運営事務局 川武彩(写真左)

「どんな人にとっても、やってみたいことに、いつでもチャレンジできる環境があるというのは、人生が豊かになることだと思います。それが子ども時代であれば、なおさら今後の人生の礎になるはずです。

今回、ハロカル沖縄が那覇市真和志エリアでトライアル事業としてスタートすることになりましたが、地域と密に関わっている児童館や公民館等と連携して進めていることが大きな特徴です。私たち事務局だけでは手が届かない部分を細やかにサポートしてくださり、事業がスタートする前からとても心強い存在となっています。

ハロカルの名前の由来通り、ハローカルチャー(文化・体験との出会い)&ハローローカル(地域の大人との出会い)を実現すべく、子どもたちのやってみたい想いに寄り添い、真摯に取り組んでいきたいと思っています。」

■地域に根ざして活動してきたNPOや児童館・公民館と連携

「ハロカル沖縄」では、沖縄で母子家庭のコミュニティ形成や政策提言に取り組んできた「しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄」や、那覇市内で長年子どもたちの居場所として機能してきた児童館や公民館等とも連携します。

具体的には、チラシの配布やメールマガジン等による対象家庭への募集情報周知のほか、特に支援を要する子どもや家庭への個別の呼びかけにより、地域での体験や見守りを必要とする子どもの応募を促してきました。

また、長年の活動を通じて築いてきたネットワークを活かし、地域で活動する教室やクラブ、団体等を紹介いただくなど、クーポン利用先の開拓に当たり連携してまいります。

連携先の児童館・公民館等
・国場児童館(那覇市)
・繁多川公民館(那覇市)
・にじの森文庫(特定非営利活動法人にじのはしファンド)

連携先の国場児童館・繁多川公民館からメッセージをいただきました!

【国場児童館 山崎あらた館長】


(写真)国場児童館の山崎館長(中央)

「あれもしたい
これもしたい
もっとしたい
もっともっとしたい

これは、THE BLUE HEARTSの「夢」のサビの歌詞ですが、子どもたちはまさに、自分が育つために必要な、何か新しいこと、チャレンジしたいことを探しています。

そして、自分がやりたいと思った時に、やりたいに寄り添い、励ましてくれる大人がいるから、もっともっとできるようになりたいと思い、上達していきます。

子どものやる気スイッチは、いつでも「ON」なのです!だからこそ、自分のやりたいことに出会う機会は、全ての子どもに保障したい。「どうせ俺なんて」と、自分でスイッチを切らせちゃいけない。ハロカルは、子どもの尊厳を守る、とっても大切な取り組みなのです。

国場児童館は、子どもたちの「あっ、これ面白い!」という新しい発見を、遊びを通して支えています。そこに、習い事の機会が開かれることで、子どもから大人への成長の階段の一歩ずつが、より優しく、豊かになったら嬉しいです。」

【繁多川公民館 南信乃介館長】


(写真)繁多川公民館の南館長

「私たちの公民館は、子どもたちが自然と集まり、大人に見守られる賑やかな公民館です。

悩みながらも今を生きる彼らに、未来は明るいものにできると感じて欲しいし、共に行動しそれを信じることのできる関係でありたいと思います。

ハロカル沖縄の事業は、子どもや保護者のあきらめかけてしまっていた気持ちに、背中をそっと押してくれるものだと思います。それが誰かの人生を変えることもあるでしょう。

私たちも、ハロカル沖縄と共にこの事業の可能性を広げるものにできればと思います。」

■トライアル事業終了後の展望

今回のトライアル事業では、対象エリアを那覇市内でも真和志地区に絞って実施いたしますが、今後は対象エリアを広げていき、沖縄全体に対象エリアを拡大することを目指してまいります。

また、トライアル期間終了後にクーポン利用者や保護者、地域の教室・クラブ等に対するアンケートやヒアリングによる効果検証を行い、2024年度以降の本実施に向け事業モデルの見直しや整備を行ってまいります。

「ハロカル沖縄」トライアル事業の概要

クーポン
利用者
那覇市真和志地区在住の生活保護受給世帯および児童扶養手当受給世帯の小学生22人
クーポン
利用範囲
・クーポン利用先として登録された地域のスポーツ、文化芸術活動の習い事や、自然体験等のプログラム
・対象児童が所属する部活動
クーポン
提供額
一人あたり4万5,000円
クーポン
利用期間
2023年10月~2024年3月
募集方法 2023年8月19日~9月12日の期間でチラシ(※)およびWebフォームにて募集
※那覇市真和志地区の子ども食堂や公民館・児童館等にチラシを設置したほか、那覇市保護管理課を通じて対象世帯にチラシを配布した。また、しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄が配信するメールマガジン等による周知も行った。
助成 みてね基金
実施体制 運営事務局:公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン 沖縄支部
協力:しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄

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