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ハロカルの事業者登録先で、初のプロサッカークラブの参画となったサッカーJリーグ「FC東京」。スポーツの世界から、体験格差解消を共にめざします!

子どもの体験格差をなくすため、CFCが新たにスタートした子どもの体験奨学金事業「ハロカル」。ハロカルでは、「子どもたちの体験を地域で支えよう」という理念に共感した様々な教室・クラブの皆さまが、参画パートナーとして事業を支えてくださっています。

2023年の9月より、サッカーJリーグの「FC東京」がハロカルの参画パートナーになりました。ハロカルとしては、初めてのプロサッカークラブの参画となります。

FC東京は以前から、地域社会への貢献を様々な形で積極的に活動されてきているとのことで、今回、FC東京のフットボール事業本部普及部に所属している瀬口友章さんへ取材を行いました。

(インタビュー:広報チーム 神田聖ら)

  子どもたちとサッカーをつなぐ、FC東京の地域貢献活動

――FC東京さんが長年実行してこられた社会貢献活動がたくさんあると思うのですが、これまでのそうした活動や、それを踏まえて社会や地域とどう向き合ってきたか、といったことをお聞かせください。

継続して行ってきているのは地域の小学校とか保育園・幼稚園とかにコーチたちがお伺いしてクリニックを行ったり、特別支援学級など、障がいのある子たちへ向けた「あおぞらサッカースクール」などの活動をしたりしています。

ほかにも、東京都の各島々といったところにもコーチを派遣して、同じようにクリニックを開いています。(島では)なかなかプロのクラブの何かに触れるといった機会が少ないですし、どうしても人口が限られているので、自分達の中でコミュニティが作りづらいということもあります。FC東京のコーチたちが行くことで違う経験をさせてあげられますし、島の子たちがこちらにきて、島の子たちの大会を行うといったサポートもさせていただいています。

――本当にたくさんの活動をされているんですね。お話をお伺いしているとやはり、子どもたちのためにといった面が大きくあるのでしょうか。

やはり子どもたちに好きになってもらって、そこからお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんというように、FC東京を好きになる輪が広がっていってほしいと思いますし、毎週来て練習をするといった面でも日々接する機会は子どもたちが特に多いですので、子どもたちに、という思いがあります。

  サッカーを通じて、子どもたちに学校とは異なる「コミュニティ」を見つけてほしい

――今回CFCのハロカルに参画してくださった想いをお聞かせください。

すごくシンプルに、全ての子どもたちに平等に機会があればいいなと思っています。ただその中で、FC東京というクラブでできることも限られていますので、そういうことに既に取り組んでいらっしゃる方々と協力して何か子どもたちに繋がることがあればいいなという思いで参画させていただきました。

――今までにも子どもたちのための活動はたくさんされてきていると思いますが、体験格差をなくす、という視点でのアプローチがこれまでとは違ったということでしょうか。

はい、そうですね。今までの活動ではFC東京というクラブを広めてチームのことを知ってもらいたい、自分たちのスクールに来てもらいたい、といった側面がありましたが、今回は普段、興味を持っていても私たちのところに来ることが難しい、その手前でハードルが立ち塞がってしまっているような子たちにプログラムを届けたり、何かの機会を与えることができる、ということがすごく良いことだなと思っています。

――そうですよね。実際にサッカーを始めることで、その前と後ではお子さん方にはどのような変化が起こるものなのでしょうか。瀬口さんは前職では子どもたちのコーチもされていた経験があるとのことなので、実感した話があれば教えてください。

様々な変化がありますが、自主的に色々と取り組むようになったり、サッカーが好きでサッカーがやりたいから、その時間を作るために勉強など、やらなくてはいけないことを自ら率先してやるようになったり、後は入ってくるときには、人見知りをしてしまう子も中にはいますが、学校以外のお友達や普段接することのない大人と関わる機会が増えることで性格的に明るくなるなど、そういった変化も見てきました。

――なるほど。学校に行けなくなってしまった子どもがサマースクールに入ったことで明るくなって性格や生活が変わった、なんてエピソードも聞いたことがあります。そういった話にも通じますね。学校や家ではない場所に飛び込んで今までと違った人々と関わるということは、特に子どものうちだと経験としてとても大きいことですよね。

そうですね。学校には行けないけれど、サッカーには来て、自分の好きな場所で自分の居場所を見つけて行って、その後学校に戻っていくことができたという子もいますので。学校とは別のコミュニティを持つことはすごく良いことなんだろうなと思います。

――習い事やスクールの種類によっては、始めるのにハードルがあってなかなか踏み出せないということがあると思うのですが、サッカーに関して言えば、どういった障壁や負担があるものでしょうか。

やはり、月会費にユニフォーム代などを揃える初期費用や、それを継続していく上での金銭面のハードルがあるとは思います。スクール型というのはどうしてもプロのコーチが教えるので金額も高くなってくる。そこがハードルにはなってきますね。

――金銭的以外にも、平日や休日、イベント時の送り迎えでも負担がありそうですね。

低学年の子であれば送迎の必要があるので、保護者の方が時間を取られるということはあります。うまく友達の保護者と連携して一緒にお願いするということもありますが、1〜2時間はやはり(時間が)取られてしまいますね。

――私にも小学一年生の娘がいて、習い事は継続が本当に大変だと実感があります。親として習わせたいけれど色々な事情でジレンマを抱えるということは多いだろうと思いますし、経済的にチャレンジさせてあげられないことは特に親としてとても辛いことですよね。

  子どもたちが夢を持つきっかけとなるような連携を

――今回、FC東京さんにはハロカルの参画パートナーとしての登録をしていただきましたが、CFCと繋がったことで他にもどういったことをしていきたいか、今後の展望などがあれば教えていただけますか。

たくさんの子にスタジアムでの試合観戦などの機会を作り、子どもたちが夢を持てるようなきっかけを提供してあげることも良いと思っています。

――試合の観戦を提供するということに関しては、普通の席で観ることが難しい方に向けて用意されたセンサリールームを用意するなど、既に取り組まれていることがありますね。

そうですね。他のJリーグのクラブでもそういった取り組みが増えていますね。

――今すでにクラブに通っている子どもたちは普段Jリーグの試合を観戦する機会は用意されているのでしょうか。

スクール生に関しては、「スクール生招待」という形で、少なくとも年間一試合、家族で見に行けるようにチケットを用意します。他にも、2年生限定のイベントで、試合前の天然芝のピッチで実際にミニ試合をする機会も作っています。キックオフの2時間前くらいに短い時間でプレーして、終わったあとはその日に実際に開催される試合も観戦できるというイベントも実施しています。

――とても貴重で素敵な体験ですね! 今後CFCとの連携のなかでも、そういった試合観戦の機会も設ける可能性があるのでしょうか。

そうですね。今までの取り組みとはまた別で、CFCさんとは新しく何か出来ると良いなと思っています。

――楽しみですね。本日はインタビューをどうもありがとうございました。


今回、FC東京の瀬口さんからお話を聞いて、普段、子どもと接する機会が多いということもあってか、特に子どもに関する格差という点では課題を解決していきたいという想いがひしひしと感じられました。

学校でも家でも塾でもない、第3の居場所、活動の場として、子どもたちが活き活きと時間を過ごせるところが社会にはやはり必要なのだと改めて実感する思いです。

引き続きCFCでは、様々な参画パートナーの皆さまと一緒に、すべての子どもに多様な学びを届けるべく、活動に邁進してまいります。