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「なぜ学校外教育を支援するのか？」「学校教育で十分ではないのか？」「学校教育を否定しているのか？」

ときどき、このようなご意見やご質問をいただきます。我々は、決して学校教育を否定するためにこの活動を行っているわけではありません。「なぜ、学校外教育支援を行うのか」について簡単にご説明したいと思います。

◯親の経済的貧困は子どもの学校外教育機会の喪失を招く

日本では、義務教育により学校教育の機会が平等に与えられているのに対して、学校外教育の機会は収入の多寡に左右されます。

文部科学省による平成２２年度「子どもの学習費調査」では、年収４００万円未満の世帯の公立中学生の学校外活動費は平均２２万２千円であるのに対し、年収８００万円～９９９万円の世帯の場合、学校外活動費は平均３７万４千円（年収１２００万円以上の世帯は４９万８千円）となっており、経済格差が学校外教育格差に直結している事実を裏付けています。

◯世帯収入と学力は相関している

貧困世帯の生徒の多くは、十分な学校外教育機会がなく、その結果として基礎学力が低い傾向にあります。

文部科学省専門家会議では、２００８年度に実施した全国学力テストの公立小学校６年生の結果について追加調査を実施し、世帯収入が低い家庭ほど子どもの正答率が低いことを報告しています。（出典：文部科学省、２００９年度「全国学力・学習状況調査分析・活用の推進に関する専門家検討会議」）

　
これらのことから、世帯収入が低い世帯の生徒は、学校外教育に通う機会が限定され、基礎学力が低くなってしまうという可能性が見えてきます。そして日本においては、基礎学力が低いことにより、進学や就職の選択肢は狭まる傾向にあります。（もちろんすべての子どもに当てはまるものではありません。あくまで確率の問題です。）

また、家庭が支出する教育支出のうち、６～７割が学校外教育への支出になっている日本においては、教育格差は学校外で生まれやすくなっています。

教育格差を是正するという観点から言えば、学校外教育に投資する（学校外教育支援）事業が必要なのだと考えています。