ニュース

社会的インパクトを出すために必要なこととは?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

先日、共同代表の今井とともに、この5年間の活動を振り返り、今後のCFCの5年について考える場をもちました。その中で特に印象的だったのが、2013年度からの課題検討、事業改善の時期が重要だったという話でした。

正直なところ、僕も今井も子どもの貧困、教育格差の問題についてはド素人の状態から2011年に活動を始めました。当初思ったことは、恥ずかしながら「CFCクーポン」を提供すれば、この問題は解決するという単純な発想でした。しかし、やればやるほどこの問題の根深さ、奥深さを感じています。

◆「制度改善」の重要性

そんな僕らが、大きな壁にぶつかり、事業の改善や制度設計をやり直そうと動き出したのが2013年度からでした。多くの諸先輩方、専門家の方々に知恵をいただき、また子どもたちや保護者の現状を確認しながら、どんな支援を行えばより効果的になるのかを本気で考え始めました。

ちょうどこの時期僕は、関西で大阪市から受託している事業の責任者として大阪市や他企業の方々と事業運営を行う日々を送っていました。CFCを始めてから初めて外部団体と協働事業を行い、その難しさを痛感していましたが、一緒に仕事をさせていただいた大阪市の方々から学んだことはとても大きかったと感じています。

特に印象深かったのが、受益者のために徹底的に制度改善を行う姿勢でした。僕がなぜそこまでやるのか?と尋ねると、市の担当者は「制度によって網の目を細かくするのが僕らの仕事。細かくできればどこかで子どもたちが引っ掛かかってくれるかもしれない。その可能性を高くすることが大事」だとおっしゃっていました。この言葉はいま僕が仕事をするうえですごく大切にしている言葉です。

a0002_003655_m (2)

◆CFCの活動の課題

CFCのクーポンだけでは救えない子、助けられない子がいることは、この数年間で痛感しました。ただ、新たな取組みだけが必要なのではなく、既存の仕組みを改善することによって成果に繋がったり、救えたりするケースがあります

例えば、CFCのクーポンは毎年、約85%の利用率(利用額/給付額)になっていますが、逆に言うと15%(約1000万円)程度は給付したにも関わらず使用されていないという課題があります。(現制度では、当該年度で使用されずに余ったクーポンの資金は、翌年度以降のクーポン提供の原資になります。)

使用されない理由は様々ですが、1つが、利用者が希望した利用先(塾や習い事の教室)がクーポン利用先として参加することを拒否し、使用することができないというものです。ここについては教育事業者側を責める気持ちはなく、登録や請求の仕組みが煩雑だったり、個人経営ゆえに事務負担が増えることに耐えられなかったりといった理由があり、CFC側で改善の余地があります。

ysd_0289

これはほんの一例にすぎません。まだまだ事業改善、業務改善においてやらなければならないことがあります。そして同時にそのような課題をこの5年間で解消できていない未熟さを感じています。

次の5年はCFCにとっては今まで支援できていない子どもたちに支援を届けるために、事業や仕組みを新たに作っていく時期になると思います。そしてそのために、既存事業の見直しや改善を早々に進め、確実により大きな社会的インパクトを出せるモデルにしていきたいと思います。(代表理事/奥野慧)

【これからの社会を担う子どもたちを支える方法】

バウチャーを利用する子どもが夢に向かって進んでいる一方で、今も資金が追い付かず、全ての子どもたちに支援を届けることができていません。一人でも多くの子どもに支援を届けることが未来のこの社会に寄与します。皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

> 子どもたちを支える方法