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【調査結果】物価高は、経済困窮家庭の子どもたちの学びにどのような影響を及ぼしているのか?

近年、円安等を背景とした物価高が続いています。総務省によると2023年の消費者物価指数(前年比 生鮮食品除)では、3.1%の上昇が確認され、2024年も2%台の上昇が見込まれています。

CFCは本年、受験生の子どもがいる経済困窮家庭の保護者412名に対して、物価高が子どもたちや家庭にどのような影響を及ぼしているのか、アンケート調査を行いました。今回は、本調査の結果をご紹介します。

【1】物価高の影響により、98%の家庭が「家計が苦しくなった」と回答

経済困窮家庭に対して、物価高による家計の変化について尋ねたところ、98.1%の家庭が「とても苦しくなった」もしくは「やや苦しくなった」と回答しており、ほぼすべての家庭で物価高により家計が圧迫されていることが分かりました。


「物価高騰の影響で、家庭の経済状況はどのように変わりましたか」に対する回答(n=411)

【2】75%以上の家庭が、子どもの体験・学習・生活関連の支出を減らしている

経済困窮家庭に対して、物価高で減らした子ども関連の支出について複数回答で尋ねたところ、「余暇・レジャー」(77.1%)、「学習」(76.2%)、「生活」(75.9%)と回答があり、物価高が大半の経済困窮家庭の子どもたちの学びや生活に影響を及ぼしていることが分かっています。


「子どもに関連する支出のうち、物価高騰の影響で支出を減らした、またはあきらめた項目があれば教えてください」(複数回答)に対する回答(n=412)

【3】80%以上の家庭で賃上げがされていない

経済困窮家庭に対して、賃上げの状況について尋ねたところ、80%以上の家庭で賃上げがされていないことが分かりました。特に、74.2%の家庭が「賃上げされていないし、予定もない」と回答しており、大半の経済困窮家庭では物価高に打つ手がない状況です。


「あなたの世帯の主たる生計維持者の勤め先では、直近一年間で賃上げがされましたか」に対する回答(n=341)

加えて、「あなたの世帯の1年間の所得は、2022年と2023年でどのように変化しましたか」という設問に対しては、「減少」(35.8%)、「変わらない」(59.6%)、「増加」(4.6%)となり、低迷が続いていることが分かっています。

保護者から寄せられた声(一部抜粋)

・大学を目指したいと一生懸命頑張っている子供に対しては言えませんが、学費の捻出をどうするか不安です。子供も負担の少ない国立を目指してくれていますが、それでも近年の物価高騰で貯金も崩しているためどうしようか考え中です。

・食費もままならない状況があり市から提供して頂くお米や、いただき物で何とか食つないでいます。今の物価と賃金のままでは子どもに十分にはしてあげられず、母子家庭ひとりっ子のため、私が長時間働くことで、子どもが一人で過ごす時間が増えることも子どもにとって精神的負担があり、心配でいます。

・小さな会社に勤めており、今後も賃金の引き上げの見込みがなく、その反面、こどもの進学等により、来年度から様々な場面でかなりの教育費の出費が増える事から不安しかない。

・子供にしわ寄せがいかないようにしているつもりでも、殆どのものが値上がりし、どこに行くにも何をするにも高くていろいろな理由をつけて諦めてもらう事が増えました。

新型コロナが5類となった昨年は、ようやく経済活動が回復し、コロナ禍の影響を強く受けていた経済困窮家庭の家計も改善すると思われていましたが、その実、今回の調査では多くの経済困窮家庭において、物価高の影響により経済状況が好転していない現状が浮かび上がりました。

CFCでは、深刻化する物価高から子どもたちの学びを守るため、引き続き、1人でも多くの子どもたちが学びの機会を得られるよう、サポートに邁進してまいります。

※2024年2月~3月、CFCのスタディクーポン(学校外教育費補助)新規利用者募集に申請した保護者(子どもの学年:高校及び大学受験生)

物価高から子どもたちの学びを
守るため「夏の募金」にご協力をお願いします

CFCでは、この13年で6,000名以上の子どもたちにスタディクーポンを届けてきました。その一方で、定員を超える子どもたちから支援の応募が寄せられており、今年度の新規クーポン利用者募集では、応募者の半数以下にしか支援を届けることができませんでした。

この状況を受け、CFCでは9月30日まで「夏の募金」を実施しています。一人でも多くの子どもたちに支援を届けるため、ご協力をお願いいたします。

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