地域の子どもたちに多様な「体験」機会を!長野市との協働事業「ミライハッ!ケンプロジェクト」23年度のご報告(スタッフ西山)
以下、全て撮影:丸太平
みなさんこんにちは。CFCの西山(上記写真の右から2人目)です。
私は昨年度より、長野市との協働事業の運営事務局を担当しています。この事業では、すべての子どもたちが多様な学びや体験を通じて成長できる社会を目指して、クーポン型助成を活用した取り組みを行っています。
今回は、「長野市での取り組みは、他のCFCでの取り組みとどう違うのか?」といった観点から、取り組みの概要と、昨年度の成果、そして今年度の展望についてご紹介します。
「みらいハッ!ケンプロジェクト」事業の概要
長野市では、「みらいハッ!ケンプロジェクト」という名称で子どもたちに学びや体験を後押しする事業を展開しています。
この事業が、他のCFCの自治体との協働事業と異なる特徴は、利用に当たり所得制限がないこと、そして申請制ではなく自治体から対象の家庭にポイントを一括給付する形を取っていることです。これにより、経済状況や個々の特性に関係なく、すべての子どもたちが多様な学びの機会を得られるようになります。
所得制限を設けずに全員にクーポンを配布することには、特別なメリットがあります。それは、スティグマ(社会的な偏見)の問題が起こりにくいことです。経済困窮家庭に限らずすべての子どもたちにクーポンが行きわたり体験機会を得られるようにすることで、結果的に経済困窮家庭の子どもたちにとっても利用しやすい制度となります。
2023年度は、長野市内のすべての小中学生約28,000人に、体験や学習で利用できるポイント(1人あたり1万円分)を提供することで、子どもたちの学びを幅広く支援しました。
また、子どもたちと体験の場をつなぐ「地域コーディネーター」の存在も特徴です。地域コーディネーターの役割は、子どもたちが様々な選択肢の中から、自分の興味関心のある体験を選んでクーポンを利用できるような環境を整備すること。
たとえば、市内で活動する企業やNPO、福祉施設などに声をかけてクーポンの利用先としての登録を促したり、長野市ならではの特色を活かした新たな体験プログラムの開発をサポートしたりします。
参考:子どもの体験格差をなくす長野市との協働事業がいよいよスタートしました!
23年度の振り返り
昨年度の事業は、大きな成果を上げました。対象の約28,000人のうち、クーポンの利用登録は約63%にのぼり、多くの子どもたちがクーポンを活用して新しい体験にチャレンジしました。
所得制限のないクーポン発行が高い利用率につながったほか、地域コーディネーターのサポートにより、制度の利用につながりづらい経済的・社会的に困難な状況にある子どもたちにも地域の体験プログラムに参加いただくことができました。実施期間中、800以上もの多様な体験プログラムが提供され、参加者の満足度も高かったのが印象的です。
参考:地域コーディネーターとは(地域の大人と協力して子どもを体験機会につなぐ。長野市「みらいハッ!ケンプロジェクト」地域コーディネーターとは?【座談会レポート】)
24年度の展望
今年度も、この取り組みをさらに進化させるために、様々な改善が計画されています。ポイント付与額が3倍に増額され(1万円から3万円に)、利用期間も3ヶ月から通年に延長されました。希望する体験プログラムを事前予約なしで利用できる現地決済機能や、WEBサイトの改善など、利用者の利便性を高める工夫も順次進めていく予定です。
地域コーディネーターも引き続き、子どもたちが多様な学びの機会を得られるようにサポートを行っていきます。
長野市の「みらいハッ!ケンプロジェクト」は、すべての子どもたちに多様な学びの機会を提供する取り組みです。未来を担う子どもたちの様々な体験機会を地域全体で作っていけるように、私たち周りの大人ができることはまだまだたくさんあると思っています。引き続き全力で取り組んでいきますので、応援のほどよろしくお願いいたします。